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続 続 夜歩く。

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それから1年後…..。映画化のことを知ったのは、昨年11月のことでした。これほど嬉しかったことはありません。公式HPに掲載された予告編(こちら)を観ただけで涙腺が緩みます。年明けが楽しみでした。この土地で唯一のミニ・シアターで上映されると知ったときは、きっとカミさんと観に行こうと心に決めていました。しかし、それが祖母を見送った翌々日になろうとは、むろん夢にも思いませんでした。

その日は冷たく晴れ渡っていました。上映時間に20分以上も早く着いてしまった私たちは、その映画館に5台分しかない駐車スペースのひとつに停めることができました。平日の金曜日です。それでも私たちの他に5〜6組の先客が居たでしょうか。その場で購入した入場券には整理番号が付してあり、客数の多寡に関わらず順番に入場するきまりでした。

万一、涙がこぼれても、他人に気取られずにすむところに席を取りました。1年ぶりに再会する映像は、やはり私の涙腺を刺激せずにはおきませんでした。そうして気が付くと、カミさんも私の傍らでハンカチを出していたのでした。

ほんとうに不思議です。ドラマに泣かされた気はしませんでした。「泣かされた」のではなく、「泣いた」のです。では、いったい何故…..?

震災という未曽有の悲劇に遭いながら、2人とも「自分はほんとうの意味での被災者ではない」という屈折を抱えているように思えます。その屈折に向き合わないことで、あるいは向き合えなかったからこそ、その後の15年の間に出来上がった「自分」を抱えています。なかば衝動的に神戸に戻ることで、あるいは夜の街を歩き続けるなかで、次第にその「乖離」に映像や音楽や台詞といった形が与えられて行きます。

もちろん、その乖離は簡単には埋められない。置き去りにしたはずの過去がよみがえることほど、苦しいものはありません。しかし、誰しもそんな過去を抱えているからこそ、この映画に心打たれるしかないのかもしれません。

あぁ…..とにかく、多くの方に観ていただきたい映画です。気がつけば、いつの間にかあなたも夜の神戸を彼らと一緒に歩いているはずです。映像のラジオドラマなんです(笑)。

(了)

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