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大きな杉の樹。

  • October 6th, 2010 (Wed) 18:45
  • 思惟

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日曜日から始まった出張が、いよいよ明日で終わります。長かったぁ…..と思うとともに、秋らしく一抹の寂しさもあります。毎年、この土地を訪ねていて、今年が13年目になります。昨年に訪ねたときは古い建物だったのですが、この4月から新しい場所に移転新築したために、今回は真新しい建物の中での仕事となりました。

私自身、この4月に異動をしましたから、今回はこの土地を訪ねるルートがいつもとは異なっていました。以前はJRで通っていたのですが、今回は高速バスを使うのです。まさかそのバスが、以前に建物の在った脇を掠めるルートを通るとは思ってもみませんでした。

有料道路を降りて、あと数Kmで駅に辿り着く距離でした。周囲の景色から、以前に通っていた場所に近付いていることが判りました。神社の前を過ぎ、県立高校の正門沿いにある県道を走ります。すると左手に、通い慣れた建物があるはずでした。しかし…..

移転から半年も経っていないというのに、その場所は見事な更地になっていました。思い出を手繰ろうにも、手がかりになるものはなにひとつ残っていませんでした。唯一の痕跡は、中庭に聳えていた大きな杉の樹でした。

あれほど大きく、優しく包んでくれていた杉の樹…..日差しの強い真夏には、涼やかな日影を差し出してくれていた杉の樹が、まるで置いてけぼりを喰らったように、一面の更地のただなかに、ポツンと立っているのでした。なんだか小さく見えました。とっても困っているように見えました。

今回の出張で空き時間を見つけて、取り壊される前の建物と敷地をくまな撮っておこうと思っていたのですが、その計画は脆くも崩れてしまいました。まさかこれほど撤去が早いとは…..。いまはその場所に足を運ぶ気にもなれません(明日の帰路、再び脇を掠めることになりますが)。持ってきた4本のフィルムが、1本も使い切れないまま、鞄の中に残っています。このまま持ち帰ることになるでしょう。

そう思ってふと眺めると、この出張先にお勤めのスタッフも、ずいぶんと顔ぶれが替わっていました。初めて訪ねたときに出会った方は、いまや地元採用の事務の女性おひとりだけとなっています。またこの8年間、親しくお話しさせて頂いた彼も「おそらく今年いっぱいで他所へ移ることになると思います」ということでした。

なにやら、寂しいものです。年に一度、彼に会い、お互いに何の利害関係の無いところで、いろんな話しを交わすことができました。実は今日も、このあと7時から、彼とその同僚数名と食事に出ることになっているのです。その彼も、いよいよこの土地を離れることになりそうです。

あの更地を見た後なのですが、私の記憶はいっこうに上書きされないままです。なんだかとても寂しいのです。この土地を訪ねるのは、今年でおしまいにしようかな…..。そんな思いが頭の片隅にこびりついているのでした。

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