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課題図書。

  • August 23rd, 2010 (Mon) 21:37
  • 昔話

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夏休みも残すところ1週間余りとなりました。もちろん、勤め人の私ではなく息子のことです。この記事を書いている私の真向かいで、彼は只今読書感想文の清書中です。まったくカミさん任せにしていたのですが、昨日と今日の二日がかりで、ようやくここまで漕ぎ着けたそうです。 「頑張れ!!」と素直に思う一方で、どこかしら「へへ、イイ気味、苦しめぇ〜。」と意地悪く思ったりする私がいます。

この苦しみから解放されただけでも、義務教育を終えた意味はあったというものです。夏休みの残り日数が目減りして行くいっぽうで、未だ1頁も読んでいない本が机の上に…..。しかし夏休みの入り口で、その本を喜んで手に取った者は他でも無いこの私…..。こうして白紙の原稿用紙に対する恐怖心が、キッチリ体に刻み込まれて行ったのでした。

初めて読書感想文を書いたのは、たぶん小学3年生の頃だろうと思うのですが、そのとき、何を読んだのか、まったく憶えていません。そうやって順に学年を上げながら中学3年生まで指折り数えてみると、むしろ忘れている本の方が多いようです。

ハッキリ憶えているのは『十五少年漂流記』と『三四郎』くらいのものですが、それでもいつ読んだのかと問われると、まるで自信はありません。何故この二冊を憶えているかというと、いずれも当時の学年にしては身の程もわきまえずにレベルの高い本を選んでしまい、まるで歯が立たない苦しみを味わったからなのです。

概ね、本の選び方はイイカゲンなものでした。しかし、たったいちどだけ、学校で配られるチラシにあった課題図書から選んだことがあります。タイトルは『SOS 地底より』。調べたところ、1979年8月が初版だと言うことですから、小学5年生の時だったのですね。

とても印象に残っている本です。その表紙が既に少年の冒険心を掻き立てるものでした。できたばかりの郊外の新興住宅街。しかしその地下には戦時中の地下軍需工場跡が縦横無尽に広がっていたのです。誰もそのことを知りません。ある日、その土地に越してきたばかりの少年が、偶然にも地下壕の存在を発見します。しかし人目に触れない地下壕は、実は麻薬密売組織のアジトとなっていて…..。

いま振り返ると、この本は非常に繊細な問題を扱っていたのでした。つまりその地下壕は、戦時中、強制連行された朝鮮人労働者によって掘られたという設定なのです。そして岩に彫り込まれたハングルの意味を少年たちが知ることが、この物語のクライマックスのひとつになっていたのです。

果たして私がどんな感想文を書いたのか、まったく憶えていませんが、この本のことは明確に憶えています。たぶん実家を探せばきっと出てくることでしょう。当時も今も、この物語の評価がどのようになされているのか、寡聞にして知りませんが、紡がれた物語が私の中にこうして残っていることを懐かしく思うのです。

さてさて、彼は未だに悪戦苦闘中。400字詰×3枚というノルマまで、あと4行、足りなかったそうなのです(笑)。

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