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母屋にて(2)。

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いつもならカミさんと子どもも連れて帰るのですが、昨日はふたりとも用事があったため、私一人で戻っていました。もとより両親は旅行中…..つまり、さほど広くも無く、客観的にはゴミ屋敷かと見紛うばかりにダンボール箱が放置された家の中ですが、誰もいないその場所は、妙にひっそりと静まり返っていて、なんだかとても寂しいのでした。

それでもせっかく片付けに来たのですから、最初のうちは夢中になってモノを選り別け、二間ほど掃除機をかけたりして過ごしました。

お昼近くになって気温はグングンと上がり始めました。お腹も減ったので、両親の家に戻り、買い置きのインスタントラーメンで昼食を済ませました。その後、開け放した母屋のことが気がかりだったので、暑いのを承知で戻りました。出来れば片付けをもう少し先に進め、それが無理なようなら本でも読んでいよう…..そのために、読みさしだった宮本常一の本を幾冊か持ち込んでいたのでした。

戻った母屋は到底、作業が続けられる気温ではありませんでした。早々に諦めた私は、仏壇のある六畳間に寝転がって本を読み始めました。いつもの夏なら、盆を過ぎツクツクボーシが喧しく鳴きはじめるはずでしたが、ほとんどと言って良いくらい、蝉の音が聞こえないのです。ジリジリと暑いのに、妙にひっそりとしています。読んでいたのはさきごろ配本された『私の日本地図 11 阿蘇・球磨』(未來社)です。

しばらくは夢中で読んでいましたが、姿勢を変えて仰向きになり、天井を見上げた途端、不意にあることに気がつきました。そう言えば、母屋にも両親の家にも誰もおらず、この場所で私が独りで過ごすのは、もしかすると初めてのことではなかろうか….と。

つまり、母屋に居れば、今までは必ず祖父か祖母かのどちらかが居たのです。二人揃って家を空けた記憶は、私の中にはありません。同じことは両親の家についても言えることで、よしんば留守番をすることがあっても、母屋の方には必ず祖父か祖母かが居たのです。また結婚してからは、傍らには必ずカミさんと子どもが居たのです。

全く独りで実家に居ることの違和感は、曰く言い難く、私を落ち着かなくさせました。落ち着ける場所であるはずの実家で、妙な胸騒ぎが止めようもなくさざ波立ち、フワフワと浮いたような心地になるのです。そうして早晩、こんな機会が増えるに違いないということに気がついたのでした。

(つづく)

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