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にもかかわらず。

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OSIRISからは中平卓馬さんの『来るべき言葉のために』の復刊、Rat Hole Galleryからは荒木経惟さんの『センチメンタルな旅 春の旅』、そして図書新聞からは森山さんの『NOTHERN 2 北方写真師たちへの追想』と、各所から立て続けにめぼしい写真集が刊行されました。寄せては返す機械への物欲をいなしておいて、本当に良かったと思いました(苦笑)。

そんなお三方の写真集を飽かず眺めています。幸か不幸か、写真を読み解く力に欠けるおかげで、ページを繰れども繰れども「良いなぁ…..」とか「すごいなぁ…..」といった感嘆詞しかつぶやけません(笑)。そして身の程もわきまえず、この先もフィルムで撮り続けていたいなぁ…..などと、妙に昂揚した心持ちになるのでした。

あるいはどなたにも経験があるかも知れませんが、新しい写真集を購うと、古い写真集も引っ張り出してみたくなるものです。同じ作家のものに手が伸びることもあれば、その傍らでしばらく手を付けていなかった別の作家の写真集に手が伸びることもあります。

で、ここ数日ばかり、毎夜ちょっとした写真集ブームが続いています。当然のごとく、『ADIEU A X』や『センチメンタルな旅 冬の旅』や『NOTHERN』に手が伸びます。森山さんのマガジンワークス(赤本+青本)にも手が伸びます。ひと休みして、尾仲浩二さんや金村修さん、小島一郎や井上青龍、そして植田正治の写真集にも手が伸びるのです。そしてそのたび、「良いなぁ…..」とか「すごいなぁ…..」を繰り返しているのでした(笑)。

とりわけ丹念に読み返したのは『NOTHERN』。前回は斜め読みしかできなかった非礼を詫びつつ、そのインタビューを丁寧に読み返しました。『写真よさようなら』と『狩人』の刊行を経て、『光と影』で復活を果たすまでの、もっとも苦しい時期に撮られたのがこの北海道の写真たちです。そのインタビューの中で森山さんはこんなことを語っています。

「ぼくの終生のモットーは、「にもかかわらず撮る」ってやつだからさ。」

「にもかかわらず」という一語が、いまの私にはとても響くのです。

この3月に以前の職場を離れました。4月から、ほぼ同じ分野・領域の仕事に携わっているはずでした。しかし、以前の職場で培った経験則は、なにひとつ通用しないのです。つまり、以前の職場が進み過ぎていたのに対して、いまの職場はあまりにも遅れ過ぎている…..。しかしその乖離は、決して同じ直線の上にある二極点では無いのです。おかげでいったいどこに立てば良いのやら、その位置関係が見えにくく、それゆえ平衡感覚も狂い放しになっているのです。

しかし、「にもかかわらず」、この職場を受け容れ、読み解き、理解し、そしてねじ伏せようと思っているのです。昨年度末には、前の職場でのことをすべて忘れると誓ったのです。

「にもかかわらず、にもかかわらず。」と、心のなかで毎日つぶやいているのでした(笑)。

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