- February 5th, 2010 (Fri) 20:45
- 音楽

今年の初め、雪が降り積もった朝の通勤路、いつものようにラジオをかけながら職場に向かっていました。いつもAMかFMかで迷うのですが、その日は最初からFMで、しかも初めて聴く心地良い旋律だったので、そのままにしておいたのでした。誰の曲だろう…..聴いたことが無いことはハッキリしていました。クラシックに関する私の脳内データベースなど、お粗末極まりないものですから、聴いたことがあるか無いかなど、最初の数小節ですぐに判ってしまうのです。
ただ、どこかで聴いた旋律だなぁ…..と思っていました。誰かに似ている……そうか、今年はショパンの生誕200年だから、きっとショパン特集に違いない。このピアノの激しさは、きっとアルゲリッチだろう。それにしても、ショパンにこんなコンチェルトが有ったのかな…..?
気になっているうちに、駐車場に着いてしまいました。たいてい、いつも「間(ま)」が悪いのです。明らかに曲は終末に差し掛かっていました。しかし、出勤時間を考えると、そのまま車にとどまって、ナレーションが流れるのを待つわけには行きません。しかし今やネットの時代ですから、そんな情報など、後からいくらで手に入れられるのです。気になりつつも、私はためらうことなくエンジンを切り、車を出て職場に向かって歩き始めたのでした。
憶えたてのフレーズを、忘れないように頭の中で反芻していました。下手をすると…..途中で誰かに声をかけられたりしたら、ネットで番組表を調べようと思っていたことさえ忘れてしまうからでした。そのくらい、仕事熱心な私なのです(笑)。
幸い、誰に邪魔されることなく職場に辿り着き、NHK-FMの番組表を探しました。そこで私が目にしたページには、「ショパン」も無ければ「アルゲリッチ」も有りません。訝るように、上下に2〜3回ほど視線を動かしましたが、やはりどこにもありません。日付を間違えたわけでもありません。すると間違いなくこのページの中の曲…..。
車を走らせていた時間帯から推測すると、流れていたのはこの曲↓に違いありませんでした。
フンメル作曲「ピアノ協奏曲 イ短調 作品85」(30分29秒)
ピアノ:スティーヴン・ハフ
管弦楽:イギリス室内管弦楽団
指揮:ブライデン・トムソン
作曲者の「フンメル」も初見なら、「ハフ」というピアニストも初めて見る名前でした。さっそくAmazonで検索してみると、出てきたのはこちらのCD 。しかも、人の足元を見透かしたかのように「1点在庫あり」という、何とも煽情的なワンフレーズ…..。白旗を掲げるよりも早く「ポチッ」としたことは言うまでもありませんでした。
その後、作曲者のフンメルについて、いろいろと調べてみました。モーツァルトの家に住み込み、2年にわたってピアノを師事、サリエリやハイドンにも教えを受け、ベートーヴェンとは同世代(8歳年下)で親交あり。「ショパン似」などとんでもなく、むしろショパンの方がフンメルに影響を受けていたこと等々…..。
作曲家の消長など、いずれ聴き手が決めることでしょうが、これほどの作曲家がこれまであまり知られていなかったのは何故なのだろう…..。もちろん「埋もれた作曲家」とは、実はとてつもなく失礼な言い方です。正しく言えば、単に私が知らなかっただけなのですから(笑)。
しかし、こうして広く知られるようになることは、にわかファンの私でも嬉しいことです。未だ聴かれたことのない「クラシック」の発掘が、この先も進むことになるのでしょうか。そう言えば今朝のNHK-FMも、再びフンメルの特集でした。いよいよ一般に知れわたり、私のようなファンが増えてきたのかな…..。なんだかとても楽しみなのでした(嬉)。
フンメルについては、フンメルさんが「フンメル研究ノート」という素晴らしいサイトを作っておられます。こちらもぜひ、ご覧になって下さい。私はフンメルさんのこちらのブログの記事 を拝読して、さほど自分の耳が間違っていなかったことにホッとし、しかし同時にその頼りなさを痛感したのでした(笑)。
●フンメル研究ノート
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