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臨場感(8)。

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Twitter+USTREAMの組合せには一定の可能性があるように思えます。すくなくも今までのところでは、大手のメディアが報じない「別の視点や事実」を得ることができました。あるいは「得ることができたような気持ち」になれました。「臨場感(5)」にも書いたように、大本営発表しか伝わらないはずの戦時下で、真実を伝えてくれる地下放送に出会った感激と興奮を覚えたのです。

しかし、情報を操作する側にとって、そんな昂揚感くらい、扱いやすい材料は無いはずです。

ハイチの大地震のあと、自分のマイレージ・ポイントを寄付したいという申し出に対して、お役所的に「そのようなサービスは行っておりません」と答えたJALと、「過去の四川大地震の折にも同様の対応をしたことがありますので、社内でさっそく検討致します」と答えたANA、両社の対応の違いがTwitter上を駆け巡ったことがありました。折しもJALの経営破綻が大きく報道されたさなかのことです。教授までがRTして、ご覧になった方も多いかもしれません。

その結果、皮肉なことに、ANAに先駆けるかたちで、JALがマイレージ・ポイント相当額を某協会に寄付することを始めました。その報道に喝采するツィートが、再びTwitter上に踊りました。それは「つぶやきが社会を動かした!!」という昂揚感に満ちていました。しかし、実際にはどうだったのでしょう? そのつぶやきをつぶやき、RTした人の何%が、実際にマイレージを寄付したのでしょう…..。

緊急を要する災害が起きた場合、航空会社は無償で荷物を搬送するボランティアに取り組むことを決めているようです。このことを、私はずいぶん後になって知りました。つまり、マイレージ云々とは別の位相で、既に企業は社会貢献への行動倫理や綱領を持っているらしいのです。にもかかわらず、無知な私は「電話応対の差」程度のことで、片方の「企業体質」に対する批判の大合唱に溜飲を下げていたのです。

おまけに、寄付の受け入れ先である某協会は、過去に(今も?)不透明な部分が多々あると指摘されてきたようです。こうなると…..ここから先は単なる私の妄想ですが…..こうしたツィートは、結果としてマイレージポイントの簒奪と、寄付を装った迂回路を建設することに加担させられたのではないかとさえ思えます。なにしろ、相手は経営破綻した企業です。誰の中にも「マイレージ・ポイントが、いつ無効になっても不思議じゃない」という思い込みがあったはずです。「それならいっそ寄付しよう」と思うでしょう。私もその一人でした(笑)。

その思いにつけ込んで、本音は「マイレージ・ポイント制度の廃止」と言いたいところを「寄付」という錯覚に置き換えて、企業イメージを損なうどころか、かえって好感度を上げてしまう…..。さすがにそれは勘繰り過ぎですね(笑)。

いずれにしても確かなことは、どれほど「裏側」や「陰謀」を詮索しても、それは「憶測」に過ぎず、また個人でどれほど情報を集めても、所詮、当事者では無いのですから、真実はなにひとつ私たちには見えてこないだろう……ということなのです。

有るのは、特定の情報によって惹起される、さして根拠も無い、はなはだ無責任な「感情」です。同じ感情を有する人が増えれば増えるほど、扱いやすくなるはずです。どうしようもなく、絶望的にそう思います。そうしてふと思うのです。「知らぬが仏」、「物言えば唇寒し」、その境涯に居りさえすれば、何とも安穏に日々は過ぎてくれるようだ…..と。

(つづく)

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