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現物至上主義(9)。

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さて、ここらでiSlate(仮称)のことは離れて…..と思いますが、その前に、そのネーミングについて。「スレート」と聞くと、私は工事現場で見かける「スレート波板」を思い浮かべてしまい、”iSlate”の名称にあまり良い印象はありませんでした。 だからと言って”iTablet”の方を推奨するわけでもないのですが、”Slate”と”Tablet”の含意の違いを解説したこちらの記事を読み、「これはもう”iSlate”以外に無いだろう」と思ったのでした。

そうです。最近、この”EBook2.0 Forum”というサイトにハマっています。もしかすると、iSlate(仮称)の登場を心待ちにするよりも、ここに掲載された記事を読んでいる時の方が、ドキドキしているかも知れません。

音楽や画像や動画よりも簡単に思えるはずの「文字(テキスト)」の電子化が、とりわけ「読むこと」に関わって、何故かくも立ち遅れていたのか、私は不思議に思っていました。しかし、ここ最近の「勉強」を通して、いわゆる「読書体験」たるものが、音楽を聴いたり、動画を見たり、あるいは写真を見たりすること以上に五感をフルに使う「総合的な身体体験」なのではなかろうか…..と思うようになったのです。

ならば当然、これまでの機器は、その身体性の欲求を満たすところまで充分に発達したものではありませんでした。つまり紙媒体の「書籍」にまつわる字体、字間・行間の詰み具合、透過光ではなく反射光で見ることの快楽(逆に言えば、疲れ具合の違い。Kindle成功の一要因は、この画面にあるようですね)、ページを繰る指先の感覚と紙ずれの音、手に持った時の重量感等々、「読書」には、ありとあらゆる感覚が総動員されているわけで、「読めれば良い」と言うものでは到底済まされない、複雑怪奇な身体性の欲望渦巻く体験らしいと思うようになったのです。

「書く」ことが、比較的簡単にデジタルに移行できたのに比べると、「読むこと」、とりわけ考えながら読むことのほうでは、相変わらず紙媒体の方が優位でありつづけたような気がします。

しかし、それもどうやらここらでおしまい…..。本格的な電子書籍化が、この2010年を境として、一気に加速するように思えるのです。Appleがそれを加速させるのではありません。iSlate(仮称)が出ようが出まいが(もちろん、iSlateが強烈にアシストすることにはなるでしょうが)、そんなこととは関係なく、すくなくも「書籍」という「概念」に「紙」が「実体」を与えていた時代は、もはや終わってしまうのではなかろうか…..と思えるのです。

(つづく)

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