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現物至上主義(8)。

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iPod+iTunesと音楽との関係が、「CDという媒体と音楽の流通の仕方」をも変えるとは、その出始めの頃にはまったく思いも寄らぬことでした。もちろん、私に先見の明などありませんから当然ですが、その私でさえ…..しかも未だにiPodもiPhoneも手にしたことの無い私でさえ…..今ではその変化の大きさを感じているのです。さて、同じようなことが、書籍や映像の世界にも起きようとしているのでしょうか…..。

Twitterでもつぶやいたのですが、iSlate(仮称)がApple版の「単なる電子書籍専用端末機」であろうはずはありません。。もしそうなら、これはまったく論外で、多くの人の怒りと失望を買うことになるでしょう。まず、有り得ない。

で、mobile meやiTunes Storeなどを含めた「電子書店+TV&Video視聴の携帯端末+必要最小限のPCの機能のワンセット」なら、いまや多くの人々の「想定の範囲内」です。もちろん、リークによって創られた「想定」ですが….。

それではさらに「期待以上の製品」として歓迎されるには、他にいったい何が必要になるのでしょう…..? パネルに触れた指先に物理的な圧反射を返す仕様になっている…..とかでしょうか? つまり、何であれば「予想通り」であり、またどのラインを超えると「期待以上!!」と誉められるのか、まるで予想がつかないのです。

そこでここ数日、いわゆる電子書籍リーダーたるものについて、あれこれと調べてみました。折しもCES2010というイベントで、数多くの商品が(発売予定や開発中のものも含めて)発表されたようですね。なかでも最も私が興味を惹かれたのは、Plastic Logicの発表した”QUE”という製品でした。

とにかく、こちらの”QUE”のHPとそこに在る動画を観て頂きたいのです。その動きが本当なら、予想されるiSlate(仮称)との違いは、動画コンテンツの閲覧が出来ないことくらいのように思えます。iSlateの予想価格1,000ドルに対して、”QUE”は649ドル…..しかし、この649ドルという値段でさえ「高い」と思われているそうです。ならばiSlate(仮称)は、”QUE”以上の何かでなければなりません。その値段の差は動画コンテンツとTVが視聴でき、しかるがゆえのカラー画面搭載に因るものなのでしょうか…..。

不思議なことに、この”QUE”、あまり評判を聞きません。相変わらずKindleとiSlate(仮称)のことは良く眼にするのですが、その圧倒的な情報量(ただしその多くは複製量ですが)に比べると、どういうわけか”QUE”について触れている人は、とても少ないように思えます。しかし私は、「なんだ、iSlate(仮称)で予想されたことは、ほとんど”QUE”が先取りしているじゃないか」と思ってしまったのでした。

なんだかとても気になっているのです。もちろん黒いボディだからですが、ネット上のコンテンツとの連携があり、PCの機能も持っているように見えるからです。こうなると、その端末によって得られるコンテンツに制約があるかどうかが気になります。つまり、携帯電話と同様の、キャリアと端末の合わせ技…..。”QUE”では読めないけれど、iSlate(仮称)ならアクセスできるコンテンツがある、なぜならコンテンツホルダーが違うから、といった具合に…..。

デバイス以上に重要なのは、実は著作権の問題のように思えます。日本のiTunes Storeの現状をみていると、音楽でさえ、この体たらくなのですから、ましてや書籍や動画になると…..と、iSlate(仮称)に対する期待が、ますますしぼんで行くのです。

よしんば、日本版のiSlate(仮称)のバックに膨大な量を抱えるコンテンツホルダーが付いたとしても、「PCの機能を備えた「電子書籍リーダー」兼「携帯動画閲覧機(TV含む)」」がそれほど魅力的か?と問われれば、「う〜ん……」。とりあえず、1,000ドルも出して手に入れるような代物でも無いように思えてしまうのでした。

つまり、こうしてあらかじめ私の期待水準を下げておくことによって、1/27には諸手を挙げて大喜びできる基盤を整えておこうとしているのでした(笑)。

(つづく)

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Comments:2

散歩道 10-01-20 (Wed) 14:55

■marmotbabyさん、
こんにちは。
遅ればせながら、本年もコラムの拝読を楽しみに散歩に寄らせて頂きます。。

さて、的外れなコメントになるかもしれませんが・・・

PC(パーソナルコンピューター)が普及し始めた頃、とくにwindows95が出始めた頃でしょうか、全てはパソコン上で処理でき紙媒体は不用になる、コピーして手渡すならメールで、Faxも必要書類を添付してメールで、オフィスから紙がなくなるだろう、などと言うことが超え高々に叫ばれた時期があったかと思います。

しかし、現実は逆でコピーもFaxも健在で上手にPCと共存しています。
新聞や本もそうでしょうか、けっして紙媒体での提供は無くならないだろうと思いますし、しっかりと印刷をして残す事に文化としての大きな価値が生まれると思います。

iphoneを使って今年からのスケジュールの管理をしていますが、PCに向かって予定をタイプするのは楽ですが、ページを捲って確認する楽しさは半減ですよね。

どんなに時代が進んでもデジタルの便利さと、アナログの便利さは共存していくだろうと思います。

mb 10-01-20 (Wed) 22:20

散歩道さん、こんばんは。いつも気にかけて頂き、ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
しかし、なんとまた的確なコメントを……。実は、今日の記事に書こうとしていたのは、まさにこのことなのでした。紙媒体はどうなるのか…..。「現物至上主義」のタイトルなのですから、もちろん私は紙媒体の方に軍配を上げているのですが……。
それでは、記事のほうで(笑)。

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