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電子書籍。

  • December 9th, 2009 (Wed) 22:28
  • 音楽

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カタカナの苦手な私ですが、バロック音楽やそれ以前の古楽のことを知りたくて、皆川達夫さんの『バロック音楽』と『中世・ルネサンスの音楽』(いずれも講談社学術文庫)を読んでいました。ようやく読み終えたのですが、やはりカタカナは苦手でした(苦笑)。しかし、10月末の「不確定要素」という記事(こちら)にも書いた通り、読み手を一定の高みに引き上げんとする明晰な文体のおかげで、どうかこうか付いて行くことができたのでした。

もちろん、すべてを理解したわけでも記憶したわけでもありません。復習テストを課されたら、きっと落第するでしょう(笑)。皆川さんという精細な航空写真を傍らに置き、そこから自分に必要な二点間のルートをフリーハンドで起こした程度にとどまっています。すこしずつ、そうした手書きの地図を重ねて行こうとは思っていますが…..。

さて、そのあたりのことは、いずれ日を改めて書くことにします。

今回、皆川さんの2冊の文庫本を読み進めるなかで、ネット上の情報に助けられることが多々ありました。本文はおろか、注釈にも無い言葉(とりわけカタカナ)の意味を調べるのに、ネットの検索がとても役に立ったのです。

しかし、それは単語の意味を辞書的に調べることだけにとどまりませんでした。

たとえば私は「グレゴリオ聖歌」を知りませんでした。見たことも聴いたこともありません。普通ならそのままやり過ごしてしまうのですが、皆川さんの文章を読んでいると、どうしても聴きたくなります。しかし、AmazonでCDを注文するにしても、幾日かはかかってしまいます。

そんなとき、YouTubeで検索すると(おそらくその多くは違法にアップされたものではないかと思いますが)、あっという間に実際の音源に触れることができるのです。しかしそのことを、私は素直に喜べませんでした。「良くも悪くも」と形容せざるを得ない気がしています。

つまり、皆川さんの流麗な文章が私の脳に想像せしめた「グレゴリオ聖歌」は、実際のグレゴリオ聖歌よりも遥かに荘厳で荘重で神々しいのでした。もちろん、それは決して現実世界の音を伴って聴こえるものではありません。あくまでも皆川さんのテキストによって、私の脳が私に描いてみせた幻影です。

しかし幻影にせよ、それが一定期間、私の頭の中を占有すれば、それは様々な空想とそれに根ざした思考を発酵させてくれるものです。「見えない」とか「聴こえない」とか「足りない」ということが、却って「想像」という思考の武器を磨き込んでくれます。そしていざ「現物」に遭遇すれば、待ってましたと言わんばかりの解体作業に取りかかることが出来るのです。

(つづく)

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