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師走の怪談。

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師走も押し迫った頃に、続けて2つの出張が入っています。そのうちのひとつが今日、終わりました。昨日はホテルからのポストなのでした。非常に暖かくて助かりました。週末はさらに別の土地へ。それが終わると、ようやく一息つけそうです。いよいよ、今年もあとわずかですね。

移動のお伴はもっぱら文庫本です。こんなふうに書くと、さぞかし読書家と思われるかも知れませんが、まったくそんなことはありません。実はとっても偏食家です。特定の作家に集中してしまうのです。もっと言えば、漱石と安部公房しか読んだことが無い、と言っても過言ではありません。

ですから、ここ2〜3年は、長らく書棚の肥やしになっていた漱石と安部公房の文庫本を引っ張り出し、出張の移動中、あるいは泊まったホテルの一室で読み返すことを続けていました。ただそれも一昨年の春あたりに終わってしまいました。次に手をつけたのは宮本常一でした。ところがこれもあらかた読み終わってしまい、モノによっては三巡目に入っていたのでした。

それでどこからか苦情が出るはずもありません。元へ返って、再び漱石から始めても良いのです。ただ、やはり新しい作家を知りたいと思うようになりました。一定の作品数があり、文体が肌に合うこと。その作家の生そのものに関心が持てること…..などとあれこれ考えているうちに、漱石の前任者、小泉八雲に辿り着いたのでした。

直接には、小林正樹監督の『怪談』(1964)という映画を観たことがきっかけでした。今年の9月に「還る場所」という連載をしていた頃のことです。その映像美については「ぜひご覧頂きたい」としか言いようがありません。映像を創るテクノロジーの進歩を否定するつもりは無いのですが、この『怪談』を観てしまうと、CGも3Dも必要なく、優れた脚本と監督とカメラマンと俳優の肉体さえあれば充分だと思えてしまいます。

それはともかく、なにゆえ小泉八雲なのか? その怪談話に馴染みは有っても、よくよく考えれば、原作など読んだためしが無かったことに気が付いたのです(あっ、中学時代の英語の教科書に”MUJINA”が載っていた記憶はありますが…..)。

あわせて気になり始めたのは、なにゆえ異国の人であるラフカディオ・ハーンが『怪談』を遺し得たのか、そもそも『怪談』の他に、ハーンはどのような著作や作品を遺したのだろう、と言うこと…..つまり、ハーンについて何ひとつ知らない私自身を知ったのでした。

(つづく)

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[...] ……とここまでのくだりは「師走の怪談。」とか「いずれ日を改めて。」とか「出張中。」といった記事に書いたとおりです。その後、いっこうに続きが書けなかったのは、ひと [...]

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