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続 『音楽の泉』。

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その「13世紀の古楽」ですが、件の選曲リストによると、”Ensemble Organum”というグループによる”Ecole Notre-Dame (XIIIème siècle)”という曲のようでした。ありがたいことに「日本未発売のCDボックスのDISC2に収録」とまで書いてあります。未発売ならば、頼みの綱はiTunesしかありません。さっそく”Ensemble Organum”で検索をかけたところ、都合16枚のアルバムが出てきました。

そのなかに、1985年リリースの”Ecole Notre-Dame: Messe du Jour Noël”というアルバムがありました。教授が番組で流したのは、このアルバムの収録曲のどれかなのだろうなぁ…..と思います。しかし、どの曲かを特定することは出来ませんでした。

iTunesの作曲者の欄は、いずれもAnonymous(作曲者不詳)となっています。いくつか試聴してみました。ヨーロッパでキリスト教でバロックで…..となると、どうしてもJ.S.Bach前後の音楽が頭の中に流れます。しかし実際の音に耳を傾けていると、何故か「欧州」よりも「中東」や「ロシア」を思い浮かべてしまいました。

その方面に全く知識はありません。ただ、欧州の「古楽」がJ.S.Bach等のフィルターを経て今日の私たちに馴染みの「クラシック」となるいっぽうで、原液の「古楽」の方は、欧州を離れた土地に根付いて行ったのかな…..と思えました。もちろん、私は中東どころか欧州さえ訪ねたことはありません(苦笑)。

さて、そうしていくつかを試聴しているうち、不意にある方のお声を思い出しました。毎朝6時から1時間、NHK FMが放送していた『朝のバロック』のパーソナリティ、皆川達夫さんのお声です。すこし甲高いトーンながら、なんとも言えぬ暖かさと柔らかさがありました。本職のアナウンサーさんの如く、流れるような喋りではありません。むしろつっかえることさえ多いくらいでしたが、その口調にはバロックへの愛情が惜しみなく滲み出ていて、私はとても好きだったのでした。

しかし、昔から早起きの習慣の無かった私は、この番組に対してまったく不真面目なリスナーでした。中学生の頃、叔父から朝の通勤時に聴いていると教えられて聴き始めたのですが、育ち盛りの中学生に早起きの習慣など出来ようはずもなく、3日と続かなかったのでした。また昼夜逆転の暮らしをしていた学生時代は、夜明けと共に布団に潜り込むときのお友達で、流しっぱなしで眠るのが常でした。

それでも、私にとって朝6時台のFMは、NHKでバロックで皆川達夫さんなのでした。

Wikipediaで調べたところ、いまもこの時間帯のNHK FMは、バロック音楽の番組なのですね。この記述ではじめて知ったのですが、NHK FMが本放送を開始する1969年以前から、つまり試験放送の時代から今日に至るまでの実に40年以上、この6時台はバロック音楽の時間帯だったのだそうです。

いまは『バロックの森』という番組で、パーソナリティも変わっているようです。さすがに皆川さんは引退されたのかなぁ…..と思っていると、なんとなんと、NHKラジオ第一放送の毎週日曜朝8時05分〜55分、『音楽の泉』という番組に出演しておられるではありませんか。しかもこちらは1949年から半世紀以上の歴史をもつクラシック音楽専門番組だそうです(Wikipediaの記述はこちら)。

いずれも、いまの私のラジオ聴取時間から完全に抜け落ちていた時間帯でした。特に『音楽の泉』という番組があること自体を知りませんでした。毎週日曜日の朝に皆川さんのお声が聴けるのなら、これからはTVではなく、AMにチューニングしなければなりません。学生時代とは違って、また30代の頃とは違って、いまでは日曜の朝だって目覚めている生活なのでした(笑)。

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Comments:3

M.Niijima 09-10-23 (Fri) 21:14

13世紀の音楽は、音楽史のカテゴリーでは単に「13世紀の音楽」と一括して呼ぶか,または「ノートルダム楽派」と呼ばれているものがあります。そしてこの時代の楽曲ではAnonymousのもの(Messe du Jour Noëlがそれのようですね)もあるようですが、名前が残っている作曲家では「レオナン(またはレオニウス)」や「ペロタン(またはペロティヌス)」なんて人たちがいたようです。
「」内の単語で検索をかけていただくと、なんとなく概要が見えてくるのではないでしょうか?
ちなみに演奏者のEnsemble Organumという名称に使用されています「オルガヌム」は当時の作曲形式(技法)にあたります。

6世紀の(和声を伴わない)グレゴリオ聖歌から、17世紀のバッハに至る道筋のようやっと半ばほどのこの世紀では、まだ和声といえば平行5度、平行4度、そしてわたしたちが不協和音としているもので構成されていますから、mbさんが中東(あるいはワールドミュージック的なもの)をイメージされたのはあながち的外れではないかもしれません(平行4度を使うとなんとなくそれっぽくなる)。それでもやはり西洋音楽の一地点であって、本来のアラブの音楽とは音程概念でまったく違う音楽だとは思うのです。
そしてこのまだ硬い莟のような和声が、後年バロック期のほぼ完成された和声と調性の体系に結実するまでには(わたしも歴代の音楽の全てを聴いた訳ではございませんが)様々な試みが為されたようです。

またいつもの癖で長々と書いてしまいまして、失礼をいたしました。

hiro 09-10-24 (Sat) 7:34

おはようございます。

ttp://www.youtube.com/watch?v=MbVhH1_5D6c&feature=youtube_gdata

こんな感じなのでしょうか?確かにイスラミックにも聞こえました。先日、月球儀通信で教えて頂いたビンゲンとは同じ時期でも全然違うのだと知りました。タイトルのエコール・ノートルダムは先方仰せの、ノートルダム楽派という意味で、その後ろのかっこ書きはフランス語で13世紀と書かれているだけで、絵画で狩野派(17世紀)と書いてある位でしかなさそうなのですが、でもそういうCDタイトルなのでしょうかね?

やはり、音楽の泉を聞くにも"AMチューナー付き"のiPhoneが必要になりますね(笑)

mb 09-10-24 (Sat) 22:38

>M.Niijimaさん
すっかりご無沙汰して申し訳ありません。RSSリーダーではいつも拝読していますが、どうしておられるかと気になっていたところでした。
さて、とても貴重な情報、そして判りやすい解説をありがとうございました!! 「長々と……」など、とんでもないことで、とても参考になりました。なにしろ、私はまるで知識がありませんから、興味はあれどその糸口がつかめず、困っていたところだったのです。どれほどネットが充実しても、キーワードが頭に無ければ、求めるものになかなか近寄れないことが良く判ります。その意味で、「13世紀の音楽」も「ノートルダム楽派」も「カテゴリー(=キーワード)」だと知れたことは、私にとってとても大きな前進でした(嬉)。教えて頂いた「レオナン」「ペロタン」も含め、やはりキーワードと概念形成は大事だなぁ….と。
これを機会に本腰を入れて、まずは皆川達夫さんの本を読むことから始めようかと思っています。ただ唯一の、そして最大の問題は、カタカナに対する私の苦手意識….。「文字」ではなく、先に「音」から入った方が無難かも知れません(苦笑)。
それにしても、これほどまでに聴くべき音楽があったなんて……。私の中で、いままで「バロック」と言うカテゴリーしかなかったものが、にわかに細分化されつつあります。Early Musicは奥が深そうです。できることなら、その体系を辿ってみたいものですね。J.S.Bach前後以降のポピュラーなバロックではなく、それ以前の原液に触れたい気がします。いかに私たちの耳が、日本化(現代化?)されたバロックしか聴いて来なかったか(それは使用される楽器も含めて、という意味で)を確認したい気がするのです。

>hiroさん
そうです、こんな感じです(笑)。わざわざ調べていただき、ありがとうございました。たしかに番組HPにあった選曲リストの情報では不充分ですね。ここから先は類推でしかないのですが、教授が前作の『out of noise』を出す以前、commmonsレーベルのスコラシリーズのために、集中的に古楽を聴いていたのだそうです。そのときにひっかかった曲なのでしょうが、他にも古楽演奏集団であるFretworkというグループのCDが耳に止まったのだそうです。よほど気に入ったらしく、つい先頃、commmonsレーベルからFretworkのニューアルバムを出すまでに至ったたとか…..↓
http://openers.jp/culture/sakamoto_ryuichi/skmt09023_3.html
http://www.commmonsmart.com/special/?spno=12&pg=1
ここまで来ると、ほとんど「宣伝」になってしまいますね(笑)。ただ私自身、古楽への入口はこのFretworkからでは無いな…..と感じています。興味があるのは管楽器を多用している曲なので、まずはそこから…..と。ただ、これまたキーワードの持ち合わせがないために、しばらく時間がかかりそうです。
やはり早起きの習慣を身につけて、『バロックの森』のリスナーになり、日中はiTunesのラジオチャンネルでAll Baroque Musicにチューニングするしか無さそうです…..。さ、明日の朝は『音楽の泉』にチューニング!!

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