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再開発。

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年に一度、出張で必ず訪ねる土地があります。その年にも依りますが、概ね3〜4日ほど滞在します。気が付けば今年で12年が経ちました。再開発の標的を免れた、典型的な地方都市だったはずでした。売物にできるほどの観光資源はありません。これといった産業もありません。また大都市が近いわけでもないので、ベッドタウンでもありません。衣食住など、暮らすことに必要な条件がこぢんまりと整っていて、域内で過不足なく完結している印象を覚えます。

当然、昭和の面影を色濃く残しています。いま振り返れば、私が初めてカメラを購い(Nikon F3)、それを振り回した最初の旅先は、他でもない出張で訪ねたこの土地でした。3日間の滞在中、初めて詰めた24枚撮りのカラーネガを撮り切れずに終わったことを覚えています。フィルムはKodakのGold400でした(苦笑)。

一昨年あたりから、JR駅裏の更地に巨大な国立病院が移転すると聞いていました。そのときは未だ工事に着手する前でした。安部公房の『カンガルー・ノート』のラストシーンを思い起こさせる駅舎と駅裏の寂れた光景を、私はとても愛していました。しかし昨年には基礎工事が始まってしまい、駅舎は残っていたものの、駅裏はアルミの囲いに覆われて、すっかり見えなくなっていました。

そして今年…..。真白く巨大な病院が忽然と姿を現していました。駅舎もすっかり新しくなっていました。かつての駅舎は木造の平屋建てでした。上りのホームに移るには、短い地下道を潜るだけで用は足りました。それが今は、鉄筋2階建ての立派な駅舎に様変わりしています。駅裏に移転した国立病院へのアクセス路を確保するため、無理矢理、2階建てにしたのでしょう。おかげで駅から外に出るには、ホームからいったん階段を上り、改札を抜け、再び階段を下りなければならなくなったのでした。

大都市圏の中核駅から始まり、地方県庁所在地に在る基幹駅へと続いてきた、駅舎と駅前(駅裏)再開発の波が、徐々にその県の二番手、三番手の人口規模の街に及びつつあるような気がします。急いで撮っておかなければ、あっという間に消えて無くなってしまいそうです。

その土地に12年も通っていながら、駅舎と駅裏そのものには、ほとんどカメラを向けていませんでした。こうなることが判っていたのに、なにゆえ放置していたのか、返す返すも悔やまれるのでした。

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