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続 忘れ物。

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カミさん運転の車に追突する「加害者」という名の「被害者」を世の中に増やさないためには、とにかくカミさんに運転させないに限ります。幸い、私は助手席よりも運転席の方が好きなうえに、同乗者が誰であれ、またどれほど長距離のドライブであろうとも、他人に運転を任せるより、自分でハンドルを握りたいと思うタチなので、カミさんが運転しないからといって、別段、これまで不都合を感じたことは無いのでした。

ただ、始発や終電で行き来する出張の場合、そのたび駅までタクシーを使わざるを得ませんでした。こういうとき、カミさんが送り迎えをしてくれたら楽だなぁ…..と思うことはありました。実際、私の同僚の幾人かは、出張に限らず、職場への行き帰りや飲み会からの帰りなどに、奥様による送迎を完備しているのでした。ある同僚など「客の方が平身低頭するタクシーだ」などと言っています。

しかし、本人の運転よりも、奥様の運転の方がよほど安心なのでしょう。私なら、とてもカミさん運転の助手席に納まる勇気は持てません。よしんば後部座席に座るとしても、彼女は「追突」の名手なのです。ですから、仮に送迎をしてもらうにせよ、カミさんに任せるのは、私が降りた後の車の持ち運びだけなのでした。

そんな状態が、もう何年も続いていたわけですが、とくに今年に入ってから、幾度かカミさん運転の車で送迎してもらうことがありました。知らないうちに、カミさんの運転技術も向上しているようで、以前ほど不安を感じなくなっていました。それもこれも、自転車通勤のおかげです。なんだかようやく、自家用車のあるまっとうな家庭になった気がします。

実は先日の静岡出張も、行きはカミさんに駅まで送ってもらったのです。ところが500mも走らないうちに、たいへんな忘れ物をしたことを思い出しました。決して忘れてはならないものでしたが、この車中では口外を憚られるものでした。とは言え、黙っているわけにも行かなかったので、言葉を濁したまま、自宅に引き返すよう頼んだのでした。

カミさんは私の深刻な顔を見て「切符を忘れたの?」と訊ねました。切符では無かったので、「そうだ」とは言えず、しかし「そうでは無い」とも言えませんでした。私にとって大切だったのは、運転中のカミさんをとにかく動揺させないこと…..発車時刻まで時間はたっぷりあるので大丈夫だと繰り返しました。そうして忘れ物が何かをウヤムヤにしたまま自宅への帰路を急がせ、駐車場にカミさんを残したまま、エレベータ無しの5階まで駆け上がり、玄関を開け、ブツを手にして戻ったのでした。

忘れ物がGRだと知ったカミさんは、「呆れた」とか「心配して損した」とか「バッカじゃないの」という罵詈雑言を私に浴びせ、笑いながらその言葉通りの表情を幾重にも塗り重ねた顔をしてみせました。そして「忘れ物がGRだと知っていたなら、決して引き返さなかったのに」などと酷いことを言い出したのです。

もちろん、その展開が予想できたので口にしなかっただけなのですが、念のために「もし引き換えしてもらえなければ、旅先でカメラが1台増えるだけなのだが」と言ってみました。不届千万は百も承知でも、私にとっては筆記具と同じくらい、GRは必需品なのでした。改めて、そのことを実感したわけです。カミさんがさらに「呆れた」を繰り返したのは言うまでもありません。

皆様も、忘れ物にはくれぐれもご注意下さい。

(了)

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