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我慢のしどころ。

  • April 13th, 2009 (Mon) 21:16
  • 文具

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今月3日、「馴染みすぎ」という記事に書いたSailorのプロフェッショナル・ギア。先週末の土曜日、駄目モトで再び調整をお願いに行きました。購入商品は無償で調整を受け付けるのがこのお店の流儀ですが、それにしても甘えが過ぎるようで気が引けていました。しかし、調子が悪いからと言って、いままで馴染んだペンに「ハイ、サヨウナラ」とは言い難く、無理を承知でお願いに伺ったのでした。

「どうにも、調子が良くないんです…..」と、こわごわ差し出しました。愛情あふれる店主は、嫌がる顔を見せるどころか、いつものようにニコニコしながら、「ちょっと貸してみて」と言い、修理机に向かいました。私はその背中越しに「ペン先とペン芯はしっかり首軸に嵌っているはずなのに、いままで感じたことのないくらい、ギチギチと音がするのです」と言いました。

店主はいつものように、様々な角度からの試し書きをし、その後、ルーペでペン先を見詰め、やおら首軸から取り外してペン先をいじりはじめました。そのとき、私のハラは決まっていました。つまり、これ以上の調整が無理だと引導を渡されれば、潔く諦めて、別のペンを購おうと思っていたのです。

傍らに居た奥様も、心配そうに成り行きを見守って下さいました。私に気を遣ってか、薄くて柔らかいペン先の場合、どうしても繊細で、そのぶん修理依頼が比較的多くなることなどを話して下さいました。白状すれば、私も成り行きが気になっていて、奥様の話も半分程度しか聞き取れていませんでした。

再度の調整は、ものの5分もかかりませんでした。店主は新しいメモ用紙を出すように奥様に促し、私には「これで書いてみて」とペンを差し出します。そうして改めて、こわごわペンを走らせてみました。すると先程までのギチギチ感が、まるで嘘のように消えています。それはまったく魔法を観ているようでした。完全に元に戻った瞬間でした。そのときの私の喜びようを想像して下さい(嬉)。

店主の解説によると、いわゆる「クイチガイ」が著しかったようです。健康なペン先なら、その先端を少し動かしても、もう片方の先端に干渉することなく、スムースに動くものですが、私のものは右半分を押せば左側に、左半分を押せば右側にひっかかりが生じていて、そのために「ギチギチ」と音を立てていたのでした。

万年筆」と言うくらいですから、わずか数年で先端のイリジウムがちびることなど無いはずです。使えなくなるとすれば、使い手の扱いが悪いだけのこと。そんな私の罪の意識は、愛情あふれる店主のおかげで、いつも情状を酌量した執行猶予付きの判決に救われているのでした。

ただ、困ったこともあるのです。今回の再生によって、本来ならしぼんで良いはずの「決めたハラ」が、合理的な理由を見失い、まったく非合理的な「物欲」へと転移したようなのです。さて、ここが我慢のしどころかと…..。

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