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枠の外の物語(1)。

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4月になれば、息子は小学2年生になります。ご多分に漏れず、私も子どもを撮ることが減りました。幼稚園の頃までなら、それこそ36コマ全てが子どもの顔…..ひどいときにはハーフサイズ80コマ近くが子どもの連続写真だったりしたことがあります。それがいまや…..。こんなふうに、子離れして行くものなのかも知れませんね(苦笑)。

カメラを向けたとき、彼がピースサインをするようになったのは、いつ頃だったっけ…..と、過去記事を検索してみました。すると、既に2006年4月5日の「親冥利」という記事で、そのことに触れていました。幼稚園に上がる前のことです。いま読み返すと、なんとも馬鹿親丸出しの最低の記事で、穴があったら入りたい心地です。

それはともかく、おそらくこの時期を境として、彼は「カメラ」というものを認識し、撮られることに気恥ずかしさを覚えるようになったのでしょう。以来、不承不承のピースサインで応じる彼の顔が増えたような気もします。

その場合、F3だろうがGRだろうがPen Sだろうが、カメラを意識させてしまう点ではどれもまったく同じです。威圧感云々で言えば、確かにコンパクトでシャッター音の小さなカメラの方が抵抗を与えないのでしょうが、室内で撮る限り、やはり「カメラ」は「カメラ」でしかないのでした。

おまけに「自然な笑顔」を演出するために、わざとタイミングをズラしてシャッターを切ることもあります。すると、「騙された」という感情を著しく引き起こすらしく、「何故、いまシャッターを切ったのか!!」と、その日の彼の機嫌次第では、猛烈な抗議を受ける羽目に陥ります。

ことほど左様に、親子の関係が危ういのか? そういうことでは無いでしょう(笑)。いくら親子の間とはいえ、写真機を間に挟んで向き合えば、不思議なことにそこにある種の緊張が生まれます。尋常ならざるカメラマニアの我が父が、始終私にカメラを向けたりすれば、いくら私が父を好きでも、いたたまれない心地になるはずです。その緊張はおそらく5分と持ちますまい。

こんなこと、とっくの昔にどこかで誰かが言っていることかと思いますが、ピースサインとは、被写体による瞬時の自己防衛かも知れません。同時にその自己防衛は「写されてやっても良いよ」という委任状…..あるいは写されることへの抵抗を自ら腑に落とすためのモードかも知れません。決して長続きはしませんが、一瞬でも「被写体」の役割さえ演じられれば、写されることへの抵抗は和らぐはずです。

ずいぶん以前、NHKで放映された『土曜美の朝』(だったとおもうのですが、もしかすると違うかも知れません)が、写真家の藤原新也さんを取り上げたことがありました。機械はたしかF4でした。

番組の終わり頃、道行く少年たちに出会った藤原さんが、その子たちにカメラを向けました。彼らはピースサインで応じたのですが、藤原さんは「余計なことはしなくて良い」とそれを制していました。そうして幾枚かを撮影し、その子たちと別れた刹那、「あの「余計なこと」をする子とは、かつての僕なんだよ」とつぶやいたのでした。

かつての私のスペシウム光線も、実はそんな自己防衛だったのかも知れません。

(つづく)

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Comments:4

Oguro 09-03-02 (Mon) 21:45

今晩はOguroです
ピースサイン、確かにそうなのかもしれませんね
僕も子供の頃はピースサインをしていました。
そして、大人になってピースサインをしなくなってからは
写真を撮られるのが苦手になってしまいました。
僕の場合は照れ隠しの面もあったのかもしれません。

mb 09-03-02 (Mon) 22:36

Oguroさん、こんばんは。いつもコメント、ありがとうございます。
(WPの仕様で、初めてのメールアドレスからですと、管理者承認が必要のようで、ブログへの反映が遅くなりました。すみませんでした。)
被写体として、あらゆるポーズは「照れ隠し」という名の自己防衛ですね。かく言う私も、自分が撮られるのは大の苦手なのです。おかげで、家族アルバムに、私の顔はほとんどありません(苦笑)。
それより、Substance-web.comとTumblr、素晴らしい展開を見せておられますね。どちらのトーンも大好きです。ちょくちょく拝見しています。近いうち、またお邪魔しますね。

Oguro 09-03-02 (Mon) 23:29

同じく、友人の写真はあれど僕の写真もほとんどありません(苦笑)
Substance-web.comはまだまだこれからで・・・
tumblrの方はPoladroidは残してあとはブログに統合しようと思ってます。
今後もよければ見てやって下さい。

mb 09-03-03 (Tue) 19:17

Oguroさん、返信、遅くなってすみませんでした。
今日の記事を書くための、良いきっかけを与えて頂いた心地がしています(笑)。
Oguroさんが管理しておられるサイトをいくつか拝見して気が付いたのですが、カラーからのモノクロ化もあるんですね。実は私も、このブログを始めた当初はカラーポジ・ネガからモノクロ化したものばかりでした。
OguroさんのPoladroid、本当に楽しみにしています。なんだか、本当にポラで撮った写真を見ているようです。自分で撮ったものでは、決してこうはなりません…..(泣)。

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