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そぼ降る雨の日(4)。

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講演会のあと、急遽、ロビーでサイン会が開かれることになりました。熱心なファンが求めたようでした。ただし、図録を購入した人だけが対象だと言います。すし詰めの会場から這い出して、慌ててショップに走りました。ほんの2時間前の私自身を考えれば、なんという変節ぶりでしょう。しかし、それほどまでに魅力的な出会いだったのです。

慌てて列に並びました。ざっと見積もっても、100人近くは居たのではないかと思います。私が滑り込んだのは、ちょうど中程から後ろのあたりでした。

皆、高揚した気持ちで順番を待っていたと思います。今回の展覧会に、スタッフとして関わった人のようでした。仲間にも渡したいと言うことで、展覧会のポスターにサインを求めていました。図録を2、3冊抱えたうえ、持ち込んだ森山さんの著書にもサインをせがむ人がいました。

愛機でしょうか? 使い込まれ、良い感じにヤレたNikon F(BK)を差し出し、裏蓋にサインをねだる人がいました。そのさい「ホントに良いの?」と幾度と無く念を押す森山さんの姿がありました。記念写真を撮らせてもらっている人、自分の撮った写真を手渡す人もいました。

遠縁の方でしょうか、家族総出でやって来たようで、代表と思しきご婦人がひととおりの由縁を説明し、必要以上の懐かしさを表明する人もいました。そんな「にわか近親者」たちにも、森山さんはきちんと起立して眼鏡をとり、会釈をし、言葉を交わしていたのでした。

そんなこんなで、いっこうに順番は回って来ません。後方からは「図録を持っている人だけじゃなかったの?」と、ヒステリックな呟きが聞こえよがしに投げつけられます。そうだなぁ…..そのとおりだよなぁ…..と思いつつも、なぜか私は責めたくない気持ちがしていました。

私だって、森山さんがこれほどまでに魅力的な人物だと知っていれば、著書のひとつも持ち込んでいたでしょうし、愛機のF3にサインをせがんだでしょうし、記念にポートレートの1枚くらい…..そしてなにより、握手だってしようとしたでしょう(笑)。

あと15人ほどで私の番…..というところでした。スタッフと思しき人が、なにやら耳打ちをしています。様子から察して、時間切れをささやいているようでした。途端に後方の呟きが、不平混じりの嘆息へと変わって行きます。私も半ば諦めていました。私だって、たったこの2時間ほどでファンになったわけです。そんな心がけでサインをもらえるなどと思うのが筋違い。諦めるしかないなぁ…..と思っていたのでした。

(つづく)

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