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祖父の妹(4)。

  • January 22nd, 2009 (Thu) 16:46
  • 家族

2008Krsk029-1

姉とのみ思い込んでいた人が、実は叔母であった、のみならず、自分は「ひとりっ子」だったのだという孤独感、加えて「瞼の父親」は、未だ戦地でその生死も判らぬまま……。さて、明日からどんな顔をして…….それにそもそも「姉ちゃん」のことを、この先、いったい何と呼んだら良いものか…..。

もちろん、これは往事を回顧した父の言い方です。いずれにせよ、そんな具合にいろんな思いが駆け巡り、子どもなりに目の前が真っ暗になったのだそうです。大人にとっては笑い話にすぎないことも、子どもには切なくてたまらないことだったでしょう。しかし、父に「姉」と思い込ませていた者は、他でもない大叔母自身だったのでした。

当時、大叔母は未だ嫁入り前でしたし、末娘でもありましたから、文字通り「姉」として振る舞い、父を弟のように可愛がっていたようです。「「姉ちゃん」と呼べ。」と、きつく言い聞かせていたからなぁ….」と、大叔母自ら白状したのは、いまから5年前のこと。祖父の十七回忌の席でした。

私たち夫婦が結婚し、その報告も兼ねて大叔母の家を訪ねたことがあります。たしか、初夏の頃でした。私の実家からかなり離れているにもかかわらず、ほとんど変わらぬ間取りであったことに驚いた憶えがあります。

伴侶を亡くしてのち、大叔母は独りでこの家に暮らしていました。小高い丘に建つ百姓家で、堤防越しに清流が臨め、手前に青々と稲のさざめく、それはそれはのどかな田舎でした。

その後、私の息子が生まれたときにも、大叔母を訪ねました。そして、私の祖父の代わりに、当時まだ赤ん坊だった息子を抱いてもらいました。今頃は、そのときのことを、祖父に話してくれているはずです。

大叔母が亡くなったと知ったのは、既に葬儀も済んだ翌日のことでした。たまたま用事があって弟に電話を入れ、ひとしきり要件が片付いたあと、「そう言えば…..」と口ごもりながら、彼は言いにくそうに切り出したのでした。彼もまた、たまたま実家に電話を入れた際に聞かされたと言うことでした。

(つづく)

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