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続 磁石。

  • December 19th, 2008 (Fri) 11:08
  • 家族

2008Penske015

好きだからピタリと合うのか、それともピタリとくっついてしまったので、好きにならざるを得なくなったのか、その因果関係はケース・バイ・ケースとしか言いようがありません。先に来たのは、ニワトリでもあり、タマゴでもあるのです。そしてそこには、常に一定の幅に収まる好悪の起伏が漂っているのです。

カミさんに言わせると、私は土地に固執するタイプなのだそうです。この場合の土地とは、私の実家のことを意味します。猫の額もビックリの、売れば二束三文にすらならず、オマケに墓地までくっついてくる土地ですが、私の代で処分する気には到底なれないのでした。

然るに私は、そこで2年しか暮らしたことがありません。祖父母の暮らす土地として、毎年の盆暮れに帰省していただけのことです。当然、知り合いもいなければ、頼りにできる友人もありません。帰省して最も困惑するのは、親の名代としてその集落の会合に顔を出したり、祖父母の代しか接点のない親類縁者の葬式に参列したりすることです。

(不思議なことに、私たち家族が帰省すると、必ずと言って良いほど、どこかに葬式が入るのです。近隣の町内会の掲示板に、葬儀の告知文を貼って回ったことも、一度や二度ではありません)。

「実家」と言えど、それはかつて祖父母が暮らし、いまは両親が暮らしている土地に過ぎず、私にとってはまったくもって見知らぬ土地と言っても良いものです。しかしいつの日か、私は家族を伴ってあの土地に戻り、最終的にはあの墓の下に潜り込むことになるのだろうな…..と思っているのです。

私と同じように、他県に両親が暮らしている同僚がいます。その敬愛する同僚が、ここに家を建てたのは、いまの私の年齢よりもずっと若い頃でした。そこにためらいが無かったのか訊ねたことがあります。訊けば、ご両親の暮らす土地とは、その同僚が生まれてから高校卒業までを過ごした場所なのだそうです。

もちろん、いまでも帰省すれば懐かしいし、思い出のある土地だと彼は言います。しかし、既にその「実家」は自分とはなんら関係が無く、両親がいなくなれば畳んでしまうだけのことだ、ついこの間も、ホームへ行くなりなんなりして、さっさと自分たちで処分してくれと言ったばかりだ、と答えました。

もちろん、その同僚に特有の「愛情表現」に違いなかろうと思うのですが、そのように割り切れる(ないし割り切ろうとできる)ことを、羨ましくも思うのでした。

(つづく)

2008Asato032

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