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奇怪な漱石。

2008Nabari013-1

あるいは、「悩む力」。こんな表題を付けるから、BPリンクリストの広告欄に、メンヘル系の広告が並ぶのでしょうか(苦笑)。それはともかく、今夜10時からのETV特集(NHK教育)では、「悩む力 〜姜尚中が読む夏目漱石」と題する番組を放映するようです。

おそらく、過去に同じ教育テレビで放映された『知るを楽しむ』の再編集版だろうと思います。ただ、私はそのとき、大半を見逃していたので、まとまった形で観られることは、とても楽しみなのでした。

政治学者の姜尚中さんが、自身のあり方の心棒に漱石を置いていることは、どこかで聞いていました。最近、刊行されたという姜さんの『悩む力』という新書も、興味があります。しかし、未だに手に入れていません。

漱石をめぐって、多くの人が様々な書物を出しています。しかし、漱石を好きであれば、当然、読んでしかるべき評論家の著作さえ、私はそのほとんどを読んだことがありません。

唯一の例外は、作家・島田雅彦さんの『漱石を書く』(岩波新書)でしょうか。とてもおもしろく読んだ記憶があります。しかし、いまではその内容を、すっかり忘れてしまいました。書棚から引っ張り出してみたのですが、1993年の刊行とのこと。いまから15年もことだったんですね。

今日のETV特集が楽しみなのは、姜さんが漱石を取り上げることもさることながら、そのなかで使われているアニメーション(影絵?)でもあるのです。制作したのは、moss design unit(HPはこちら)というグループの方々のようです。

『知るを楽しむ』が、リリー・フランキーさんの案内役で優作さんを特集したさい、優作さんが中上健次の『荒神』を原作とする映画を企画していたことを知りました。結局、映画化に至らなかったその作品を、この番組の中でアニメーションにしたのが、このmoss design unitでした。

その印象は、とてつもなく鮮烈なものでした。現実の近似値を、あるいは現実のような非現実を、CGでいとも容易く映像化できるご時世です。そんな時流に抗うがごとく、ローテクの限りを尽くし、受け手の想像力を刺激せずにはおかないモノクロームの映像は、そのまま独立した作品として充分に通用するのではないかと思えます。

姜尚中さんによる『知るを楽しむ』のなかで、唯一、観ることができたのは、『それから』を特集したときのものでした。私が憶えていた『それから』の結末は、真夏の日盛りの道を代助が「焦げる焦げる」と呟きながら歩いているというものでした。

しかし、moss design unitのアニメーションが描き出した結末は、とてもおどろおどろしいものでした。慌てて本文を読み返してみると、アニメが如何に本文に忠実であったかが解りました。たしかに読んだはずの、こんな大切な描写を、私は想像しきれていなかったのです。

もういちど、漱石を丹念に読み返してみたい心地なのです。

2008Nabari015

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