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赤錆びた光景(4)。

2007Yskn041

「撮ること」に関心を向けはじめたとは言え、さしあたり思い付いたのは、常用フィルムを変えてみることでした。折しも、子どもが生まれる頃でした。一生の記録に残るのですから、自ずとフィルム選びも慎重になります。そして身の程も弁えず、PRO400とかREALA ACEに手を出してみたのでした。

要するに「高いフィルムさえ使えば、驚くほど劇的な違いを目の当たりにできるはず」と思い込んでいたのです。しかし、その結果は芳しいものではありませんでした。いま思い返せば、当然のことです。同時プリントのL判でしか、結果を見ていなかったのですから。

大きく引き伸ばしてこそ差が際立つ。撮ることもさることながら、特にネガフィルムの場合、後処理によってまったく異なる結果が得られること、そのためには「作画意図」とやらをハッキリさせ、専門のプリンターさんに手焼きでオーダーすること…..。こうした当たり前の知識を、まったく持ち合わせていなかったのでした。

(ところで、機械による流れ作業の同時プリント(L判)でも、その担い手次第で結果はまるで異なります。そのことを私に教えてくれた者はNさんでした。詳しくは『Nさんのこと』を参照。)

しかし、ランニングコストを抑えねばならないはずの私にとって、いずれの「知識」も、徒にさらなる出費を促すものばかり。どこからどう見ても「本末転倒」の様相でした。早い話、主体性の欠如こそが、広告収入で成り立つ雑誌の言いなりにさせていたわけです。そのことに気が付いてから、さらに常用フィルムを変えることにしました。そうして出会ったのが、いまは無きAGFA Precisa100というリバーサルフィルムです。

それまでリバーサルフィルムとは、プラスチックのフレームに一コマずつをマウントし、投影機で楽しむものだと思っていました。実際、尋常ならざるカメラマニアであるところの我が父が、滅多にない家族のイベントにリバーサルを好んで用い、あとで上映会を催すことが、我が家の楽しみでもあったのです。

しかし私は、せっかく撮ったひと連なりのフィルムを、一コマずつバラバラにすることに、大きな抵抗を感じていました(『庶民の弁』参照)。そんなとき、なにかの雑誌で「決してマウントせず、ひとつのシートとして保存し、フィルムスキャナでデジタル化して楽しんでいる」という記事を読んだのでした。

なるほど、これなら増え続けるL判に悩まされることもなく、シートの単位で保存できる。おまけにPrecisa100はリバーサルのなかでも破格の安さだったので、現像代と併せても、同時プリントの半額程度で済んでしまう。なにより、フィルムが再現する色を、そのままの形で眺めることができる…..。

そんな事情で、Precisa100を常用することになったのです。もちろん、フィルムスキャナを手に入れたのは、それからさらに後のことでした。ただ、ライトボックスとルーペには奮発してしまったので、やはり浪費であったことは間違いありませんでした。

(つづく)

2007Yskn042

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