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ドバイとパチンコ(5)。

  • June 6th, 2008 (Fri) 23:34
  • 思惟

Yunotsu036

3週間ほど前だったでしょうか。NHKの新しいドキュメンタリー・シリーズ、『沸騰都市』を観ていました。成長著しい新興国の都市と、そこに依存して自らの成長を図ろうとする「旧・先進国」の都市に取材したドキュメンタリーです。ごらんになった方も多かったのではないでしょうか。

初回はオイルマネーに沸く中東の都市、ドバイでした。番組の冒頭で流れた映像を観たとき、私はCGかと思ったくらいです。椰子の葉を模したという、海に浮かぶ人工島…..、一面の砂漠に屹立する、桁外れに巨大な建造物……。

そんな誤認を予測していたのか、むしろ誤認を誘導する意図があったのかどうかは不明ですが、ナレーターは執拗なくらい、「砂漠に浮かぶ蜃気楼のように…..」と繰り返します。まるで「こんなことが長続きするはずがない」と言いたげに……。

しかも、そのことを、当の巨大ビル建設に関わる日本人の口から引き出すのです。投機的な金の流れが生み出した結果であって、ほかにひとつの産業もないこの場所が、「都市」として在り続けられるはずが無い、と。慧眼な私の友人は、その発言が、彼の勤める企業の株価を暴落させるのでは?と懸念したくらいです。

いずれ私は経済音痴です。そもそも「転売を繰り返す」という言葉の意味を知りませんでした。他人に売り渡したはずの物件を、どうして再び売ることができるのか、ずぅ〜っと不可解だったのです。

それが要するに「物件Aを売って得た利益で、より高額な物件Bを購い、その物件Bを買値よりもさらに高額で転売し、得た利益でさらに高額な物件Cを購い、それを……」と繰り返すことなのだと知ったのは、先日、件の友人に教えてもらってからなのでした。

それはともかく、私にはどうにも解せなかったのです。このドキュメンタリーの真意は、いったいどこにあるのだろう…..と。

グローバル経済に、すっかり乗り遅れている日本の危機を煽ろうとしているのでしょうか。それとも逆に、日本経済の失速ぶりを正当化しようとしているのでしょうか。

つまり、いまの新興国の過熱ぶりに、かつてのバブルを重ね合わせ、その後に訪れた「失われた10年」の経験者として、「大人」の態度で新興国を眺めましょう…..と。そしてその「寛容」さに、いま現在の失速を正当化しようとする意図を込めて…..。

それとも、いま現在、国内で…..汐留や品川や六本木、果ては地方都市で起きている、舞台装置が砂漠か空地かの違いだけで、本質的にはさして変わらない、国内で生じている投機的解体から、眼を逸らさせようとしているのでしょうか…….。

(つづく)

Yunotsu027

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