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降りる。

  • May 27th, 2008 (Tue) 23:00
  • 電視

Yunotsu020

私にとって女優の和久井映見さんは、いまでも『愛しあってるかい!』(1989)の女子高生であり、『ピュア』(1996)のヒロインなのです。その和久井さんが、NHKの朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』で母親役を演じたとき、はじめはその「ありえなさ」に、少なからぬ衝撃を覚えました。

もとより、私は和久井さんに対して勤勉なファンではありません。しかし、ほぼ同世代だと思っていた主役級の女優さんが、二十歳過ぎのヒロインの母親を演じるなど、到底、思いもよらぬことだったのです。和久井さんは私より2歳も年下なのでした。

『ちりとてちん』も、決して毎朝、観ていたわけではありません。しかし、「老け」を演じる和久井さんを観ているうち、その異和感は徐々に消えて無くなりました。そして、やはりこの母親役は、和久井さんを置いて他にはいなかっただろうと思うようになったのでした。

その符号は、曰く言い難く、とても心地良いものでした。事務所はもとより、和久井さん自身が、いったいどういうオファーのもとに、この役を承諾したのか、またその結果がどのように評価されているのか知る由もありませんが、個人的には役者としての幅を大きく広げられたのではないかと推測しています。

ともすると、華々しくて若々しいことが好意的に評価され、またそれ故に、そう在り続けることを強いる風潮があるような気がします。それは芸能人に限らず、一般の私たちにも振り向けられた圧力です。

もちろん、健康で在り続けようとすることを否定するものではありません。しかし、敢えて自ら進んでその流れから降り、抗うことよりも老いに従うことに価値を見出すことがあっても良いかも知れない……と思うようになりました。

昨日、プロスキーヤー、三浦雄一郎さんのエベレスト登頂のニュースがありました。素人の推測に過ぎませんが、登頂の成功よりも、そこから無事に命を持ち帰る「復路」の方にこそ、三浦さんの真価があるのかも知れません。

Yunotsu021

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