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任意と強制(5)。

  • February 4th, 2008 (Mon) 23:57
  • 思惟

2007Mi180

もちろん「国や社会を揺るがした」と形容される事件は、いつの時代にも起きています。私の学生時代だけが特別だったわけではありません。Wikipediaによると「劇場型犯罪」という形容は、グリコ森永事件(1984)が最初のようですね。

学生時代に起きた様々な事件が、コトの大小や歴史的な意義はともかく、その多くが私の中に強く残った理由は、とにもかくにも、私自身がヒマだったからに違いありません。

さしたる目的も持たないまま、迂闊に大学に進んだ私は、なかばふてくされたように、下宿でのらりくらりと過ごしていました。「時間」という木戸銭はいくらでも有り余っていましたから、テレビの提供する即席の劇場で、極めて盲目的で模範的な観客を務めていたわけです。

午前中のワイドショーを、局をハシゴしながら、ひととおり眺めていました。前夜の睡眠不足のために、11時あたりから2時頃まで昼寝をし、その後、やはり午後のワイドショーをハシゴします。退屈な4時〜5時台の再放送ドラマをやり過ごせば、夕方6時以降を報道番組だけで深夜まで繫ぐのは、なんの造作もないことでした。

ですから、昭和の終わりに際して私が抱いた「厳粛な心持ち」とは、実は祖父のことを想ったからでも、昭和という時代に思いを馳せたわけでもありません。つまるところ、そうした「劇場」の模範的な一観客として、律儀にその役割を果たしていたに過ぎないのでした。

そしてこの「役割」は、レンタルビデオでは決して演じることのできないものなのです。

(つづく)

2007Mi179

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