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続 私の万年筆。

2006Octtyo038

「5本も並べて「コレクターでは無い」と言い張るつもりか?!」と、礫(つぶて)が飛んできそうな気がします。「どの口が言うのか?」と叱られるかもしれません。しかし、私にとっては、それぞれに「用途」が明確で、しかもいずれも「実用」しているものなのです。

もちろん「用途」や「実用」や「必要」を盾に取り、カミさん相手の二国間協議を粘り強くおし進め、度重なる決裂の危機を乗り越えて一定の譲歩を引き出し、その挙句にカメラが増殖した前科を忘れたわけではありません。

でも、でも、万年筆は違うんだい! とつぶやいたりしてみせるのです。真性の万年筆コレクターなら、意匠を施した稀少品、もしくは現在入手困難な過去の名品がターゲットです。つまり、決して使ってはならない実用品なのです。インクなんぞ、断じて入れてはならず、ケースに入れたまま大切に保管するか、作家モノのペン皿にディスプレイするばかり……。

さて、ことほど左様にコレクターではない私ですが、実はいま、新しい万年筆が欲しくなっています。現在調整中のプロフェッショナル・ギア(セーラー)の結果次第では、どうしても、普段使いの万年筆が必要です。決して、コレクター的衝動によるものではありません。

ほら、その証拠に、これといったターゲットが無いのです。オマケに、大枚をはたいて買った挙句、使えないモノに当たったらどうしよう…..という不安が拭えないのです。

貧しい私の経験から言うことですから、多分に偏見が含まれているのですが、万年筆くらい、「メーカー」と「価格」による差よりも、「個体差」のほうが激しく、しかも使い手との相性に左右されるモノは無いような気がします。

たとえば、同じモンブランの146でも、店頭に並んでいる数本を試し書きすれば、その差は歴然としています。カメラのように「F3なら信頼できる」という範疇が、極端に狭く思えて仕方ないのです。

それほど指先というのは敏感なのでしょうね。もちろん、万年筆は、自分好みの書き味が初手から降ってくること自体がまれなのです。しばらく書き続けて、ようやく手に馴染むのです。そしてまた、使う続けているうちにペン先が変形し、さらなる調整が必要なのですから…..。

さて、そんな「失望」を織り込みずみで、あたらしい「一本」に踏み出すべきか否か。今月いっぱい、悩むつもりなのです(笑)。

(了)

2006Octtyo043

Comments:5

toshiboo 07-09-21 (Fri) 9:18

僕は1本しか所有していません。
ペリカンのスーベレーン400のグリーン縞、「ペリカングリーン」と呼んでる人もいたような。
本当は800の大きさが欲しかったのですが、自分にとって最初の1本は、どこにでも持ち歩きたいと言う気持ちが強かったのと、当時「片想い」していた女性と同じものを所有したい、という「やましい」後ろめたさを、なぜか指先に感じていたいと思っていたのかいないのか・・・わけ解んないですね。

最初はコンパクトなボディだと思っていた400のサイズも、使っていると他の筆記具との差があまり無く、どこに行くにも常に傍らにあります。
いつか800も手に入れたいとは思っていますが。

hiro 07-09-21 (Fri) 17:25

丸善センチュリーの写真拝見できました!重厚な感じで格好良いですね。
今日の記事を拝読して店頭でバラツキがあることを初めて知りました。
それ故、調整されてはとのご進言もよく分かりました。お店を探してみることにします。

スーベレーン800は立派な万年筆ですね。toshibooさんの400は丁度良い大きさですね!
私も400位の大きさが自分の手には限界かと思うのですが、それでもどうも趣味に走ってしまい、
カメラも筆記具もパソコンも何でも小さい物に目が行ってしまいます。故に実用を犠牲にして
使い辛い思いをして使うことも多いです…。

それにしてもここを訪れられる方々はやっぱりmbさんと共通点が多いような気が…。

mb 07-09-21 (Fri) 20:16

>toshibooさん
「1本だけ。」とおっしゃるところが潔いですね。私もはじめはそのつもりだったのですが、いつの間にか…..。
ほろ苦く、甘酸っぱいお話し、ついつい、引き込まれてしまいます。ただ、くれぐれも、家庭争議の元になりませんように…..。
スーベレーンは、やはり評判が良いですね。私も限定モノの「ピカデリーサーカス」には、一時期、大いに心を揺さぶられたことがありました。あれがM400ではなく、M800であったなら、今頃どうなっていたか判りません(苦笑)。
このさいですから、奥様にもお勧めになって、同じデザインのM800とM400をお揃いで手に入れるというのはいかがでしょうか。ご夫婦の記念に…..。

>hiroさん
こんばんは。
「「メーカー、価格」ではなく「個体差」のほうが大きい」とは、あくまでも経験の少ない素人の偏見ですから、どうか割り引いてお考え下さい(笑)。
ただ、店頭での試し書きでも、いくつか落とし穴があるということを聞いたことがあります。カートリッジを差した状態のインクフローではなく、インクにペン先を浸けて書きますから、どうしてもインクは潤沢に出て来ます。また、店が用意する紙は滑りの良いモノを使っていますから、スラスラ書けてしまうのです。その感動をもとに、家に帰って自分のノートにしたためると、どうにも書き味が違うような違和感を覚えるのだそうです。
とは言え、店頭でカートリッジを差し、自分で用意した普段使いのノートに書くわけにも行きませんから、なかなか判断が難しいですね…..。できることは、普段使いのノートを持ち込んで、それに書かせてもらうことくらいでしょうか。
M800が大きいとのことですが、使っているウチに慣れてくると思いますよ。いちど大ぶりのペン先に慣れてしまうと、もう後には退けません(笑)。

しかし、私も意外でした。万年筆の記事に、これほど多くのコメントが頂けるとは…..嬉しい限りです(嬉)。

complex_cat 07-09-21 (Fri) 23:28

こういうエントリーを拝読すると,単純な私は,直ぐに一本ぐらい持っていても罰は当たらないか,などと思ってしまいます(笑)。
 ところで,赤瀬川源平氏がカメラを4台以上持っている人間は,どう言い訳してもコレクターだと書いていたような気がしたのですが,万年質の場合は,何本以上からコレクターなんでしょうか。
 あ,いや6本,いや7本以上でしたね(笑)。この閾値は,mbさん的にはまだまだ上がりそうな気が。

mb 07-09-25 (Tue) 23:49

C_Cさん、返信がとても遅くなってすみませんでした。
おそらく、罰は当たらないと思います。それどころか、むしろC_Cさんには必需品ではないかと拝察します。煽っていませんよ(笑)。
コレクターか否かの線引きは、おそらく数量的な基準によるものではなく、やはり質的な何か…..とりわけ、その用途によるものだろうと信じ、またそのように主張しています。ですから、私がもっている5本も、それぞれのTPOで立派に実用品であり、その限りにおいて「閾値」の設定はできないのです。
F3にも同じことが言えます。なかでも、「スペア」というのは、立派に「実用的」な理由ではないでしょうか!と、高らかに宣言したい今日この頃です。実はアイレベルの中古美品が、けっこうなお手頃価格で……。

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