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続 帰省。

2006Dks138

ご住職の言葉に、客観的な根拠などあろうはずがありません。私の置かれている現状や、そこから派生する内心を伝えるには、あまりに時間不足でしたし、なにより私たちの間に在ったのは、どこまでもただの「世間話」に過ぎないのでした。

にもかかわらず「なにも心配することはないから、今の職場で精一杯勤めなさい」という言葉は、とても心地よく響きました。それ以外に道は無いはずだという、「断定」にも似た言い方でした。

私自身は、ともすると理屈のうえにも理屈を積み重ね、その上に立てた筋道を歩かなければ気の済まない性分です。しかしその実、そうして積み重ねた理屈の壁が行き先を狭めてしまい、好んで袋小路を組み上げているようなことがあります。

御坊の断定は、臨床心理学ではありませんでした。精神医学でもありませんでした。ましてや宗教に根ざしたなにかでもありませんでした。

しかしその断定は、そうした袋小路でにっちもさっちも行かなくなっていた私の虚を突いた形になりました。心配事はあろうとも、今の職場にとどまりながら、この先の10年を過ごすことしか、他に仕方は無いはずだと。

袋小路とは、私自身の度胸の無さでもあり、老親に対する甘えでもあり、また老親に対する親不孝でもあり、それらをすべてひっくるめてなお、そのように進まざるを得ないと考えている私自身を、なにかが合理化してくれないだろうかと甘えていることでもあります。

行き止まりの袋小路で、チョロチョロと出口を求めて走り回っている鼠のようなものです。出口は無いと判っていながら、止まると死んでしまう回遊魚の如く、走り回って息切れがしていたのでした。あるいはもしかすると、その袋小路の中で動くことを止め、不貞寝を決め込んでいたのかもしれません。

御坊の断定は、詰まるところ、ウロチョロするな、と言うことでした。あるいは、ちゃんと眼を覚まして活動せよ、と言うことでした。そうして、袋小路をちゃんと居心地の良いものにしなさい、という指南でした。もちろん、そこまで考えるのも、私の考え過ぎかもしれません。

実家とは言え、この土地は私にとって、幼い頃の祖父母の思い出と、両親の生育地と現住所に過ぎません。今回の帰省は、そんな非人情の土地に、御坊という人情のつながりを認めることのできた、最初の機会なのでした。

(つづく)

2006Dks131

Comments:2

complex_cat 07-08-16 (Thu) 7:58

この問題,私のところに書き込んでいただいた内容からも,迷われていることをお察ししておりました。
 なるようにしかならないと達観するしかないと思いますが,両親の介護のためにキャリアを棄てる方もおられるくらいですから。そんなに簡単な話ではないですね。
 私事ですが,今回の実家の危機は,全て良い方に働いたようで,一息入れることが出来ました。歳取ってから動くのはとても大変で,それが致命的なストレスになったりしますので,私の方は,いつでも受け入れ準備はしてありますが,実際は手詰まりです。

mb 07-08-17 (Fri) 1:20

C_Cさん、コメント、ありがとうございました。
いろんな意味で、節目を迎えつつあるのだと思います。無論、いままでも節目が無かったわけではありませんが、これまでのそれとは明らかに質の異なる…..なんと言えば良いのでしょうね、決して歓迎されないことばかりが増えて行き、自分一人の力では如何ともし難いものが押し寄せてくると言うか…..。
しかし、おっしゃるとおりなんです。なるようにしかならないと、達観することしか(苦笑)。やはり、若年者の「健全育成」よりも、中高年の健全な発達の方が、社会的には必要なことですよね(笑)。

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