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続 その時代。

2006Octtyo002

作家であれ写真家であれ、また芸術家であれ歌い手であれ芸能人であれ、その才能は一個人としての存在の中にあります。その才能の発露たる作品が世に受け入れられるとは、いったいどういうことなのでしょう。

作り手になったこともない私ですが、そこにはおそらく、意志に反して自らが商品化される苦悩があるように思えます。作りたいものよりも、売れるもの。「本当の自分」から切り分けた、「商品としての自分」。

その商品化を促す圧力に謙虚であり、また単に流されるだけではなく、自らを律しながら「その人らしさ」を演出しつづけることを求められるのなら、これほど辛い職業は他にないかもしれません。

なにより、ほんの一瞬の不始末で、あるいは「賞味期限」という得体の知れない言い訳に、それまでの名声がどうであれ、またどれほど高額な収入を得ていたとしても、いともたやすく使い捨てられてしまうのです。その恐怖を、心のどこかに置きながら、いつも笑顔を絶やさず、あるいは作品を作り続けることができるものでしょうか……。

ですから、その最前線を10年以上も走り続けているSMAPなどを観ていると、一概にその好悪を口にすることが憚られてしまうのです。あのメンバーの、社会的にはわずか30代前後に過ぎない若者の肩に、関連業界の末端まで数えれば、おそらく何万人という人間の生活がかかっているわけですから…..。

個人としてのその存在自体が、巨大な企業体なわけです。ルックスのことは言わずもがなですが、そのことに堪えている精神力を考えると、私にはとうてい務まりそうにありません。別の意味で何かが麻痺して、自分自身を見失ってしまわない限り…..。

ただ、逆に考えれば、「成功」とは、自らの商品化をうまく成し遂げたこと、とも言えるかもしれません。コンスタントに作品を発表し、一定の売り上げを維持し続けているアーティストとは、幸か不幸か、そうした自らの商品化にまつわる苦悩を、どこかで咀嚼し、受け入れ、あるいは巧妙にかわすことのできた人のことかもしれません。

(つづく)

2006Octtyo001

(追記:今日から東京の写真です。昨秋、上京した折に撮ったものです。機械はGR1vです。)

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