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同世代。

2006Dks116

30歳になったとき、干支がひとまわり下の従妹に訊ねたことがあります。「ジーパンって、何歳まで履いていても許される?」と。従妹は「う〜ん…..」と値踏みするように私を観たあと、「お兄ちゃんなら、40歳まで大丈夫かな。」と、至極明るく答えました。

当時、従妹は高校3年生でした。そこになんの邪心のあろうはずがありません。しかも「40歳」という回答は、彼女にとって、精一杯の良心を上乗せした数字です。しかし当の私は「残りたった10年か……」と、しばし絶句したのでした。

当時の彼女にとって、10年という時間は、見当もつかないほど長大な時間でした。いっぽう、私にとっては「たったの10年」でしかありませんでした。「もう少し、なんとかなるだろう」と思っていた淡い期待が、実は単なる自意識過剰の認識不足に過ぎないことを思い知らされたのでした。

最近、そのときの思い出を、くだんの従妹に話したところ、思いがけず、彼女も当時を鮮明に憶えていたことが判りました。つまり、そのときの私の表情を見て、「しまった。」と思ったのだそうです。

当時から勘定して、およそ10年近くが経ち、彼女が宣告した「ジーパンを履いていても、社会的に許されるギリギリの年齢」に達しようとしているわけです。幸いなことに、彼女は当時の自分の発言を「悪かった」と撤回し、「まだ大丈夫だよ」と、笑いながら付け加えたのでした。

ニュース番組やドキュメンタリーを観ていると、私と同年齢の男性が、様々にブラウン管に現れることがあります。そうした市井の同世代を眺めていて、「これまでの彼の来し方に、いったいなにごとがあったのか?」と、他人事ながら心配になることがあります。

なんの縁もゆかりもない、同い年の男性です。社会的に成功を収めた者、犯罪を犯して獄に繋がれ行く者、平凡な家庭の父親、親の介護を務める孝行息子……その内訳は様々です。

「どうしてこんなに老けているのだ?!」と思うのです。たとえばそれは頭髪の量であったり、皺の寄り具合であったり、重力に抗えなかった身体のたるみであったり、生気のない眼であったりします。

そうして、その外見に対する同情を覚えた途端、ふと我に返るのです。お前だって、ブラウン管の向こうに映し出されれば、たいがい、似たようなものなのではないか。なによりこれまでだって、実年齢よりも若く見られたためしは無かったではないか、と(苦笑)。

笑いながら「まだ大丈夫だよ」と言ってくれた従妹の言葉に、ふたたび良心的な粉飾があるか否か、このさい、触らないことにしました(「まだまだ」と繰り返さなかったところに、個人的にはひっかかりを覚えているのですが)。

その従妹も、昨年に生涯の伴侶を得て、今年の末には人の親になる予定なのでした。

2006Dks111

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pingback from memoranda - 親の子。 10-06-04 (Fri) 23:51

[...] 3ヶ月ほど前、従妹に2人目の子どもが生まれました。「同世代」という記事(こちら)に書いた従妹です。生まれたのは女の子でした。上が男の子でしたらか、なんともバランス良く [...]

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