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エピグラフ。

2006Dks122

東京国立近代美術館で開かれている「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」、どうにも行けそうにありません。なんとも、残念です。あんまり悔しいので、せめて、カタログだけでも取り寄せようかと画策中です(苦笑)。

きちんと調べたわけでは無く、せいぜい、Amazonで検索した程度なのですが、思いのほか、ブレッソンに関する日本語の書籍は少ないように感じます。本人が執筆した著書の翻訳はおろか、第三者による評伝の類も。これほど有名な写真家でありながら…..と思ってしまいます。

(もちろん、ブレッソン自身が、写真集以外に著書を執筆し、刊行していたのかどうか、私には知る由もありません。)

ずいぶん以前……おそらく、私が写真に関心を持ち始めた2001年頃だと思います。みすず書房の古い書誌目録を眺めていたとき、そこにブレッソンの名前を認めたことがありました。

しかし、それが写真家のブレッソンだったのか、それともまったく無関係のブレッソンだったのか、いまではまったく憶えていません。みすず書房のホームページや、Googleで検索してみましたが、結局、判らずじまいです。

せめてなにか、すこしでもブレッソンを識るための書籍が無いものか…..と、そんなことを考えていたとき、先々週の新聞だったでしょうか、その下欄の広告に、「ブレッソン」の文字を認めました。

岩波書店から刊行された新刊、『こころの眼 写真をめぐるエセー』(堀内花子訳)です。そのままAmazonで注文したことは言うまでもありません(詳細はこちら)。

岩波書店のハードカバーに特有の上品なつくりです。ほどよい行送りと適度な大きさの活字。ブレッソン自身が各所に寄稿した文章を集成したもののようです。

なかでも興味深いのは、処女写真集『逃げ去るイメージ』(英訳名:決定的瞬間)に収録された、自らの序文です。不明は百も承知ですが、写真に対する姿勢とその技法について、ブレッソン自らが著した、最初で最後のまとまった文章ではないかと思えます。

しかし、なにより心を打たれたのは、本書の冒頭に掲げられたエピグラフ。この言葉に出会えただけでも、手にして良かったと思えます。

「科学技術が鳴らす警笛の破壊的な音につつまれ、グローバリゼーションという新たな奴隷制度と貪欲な権力争いに侵略され、収益優先の重圧の下に崩壊する世界であっても、友情と愛情は存在する。

アンリ・カルティエ=ブレッソン

一九九八年五月一五日」

2006Dks123

Comments:2

HIROSHI 07-08-09 (Thu) 0:14

ブレッソン、あんなに有名なのに実は僕はまだマジマジと作品を見たことがありません(汗
知人はエリオット・アーウィットを崇拝していますが、コレもまた見たことがない(大汗
食わず嫌いというか、海外の人はあまり興味がないというか。
見たらきっとハマりそうですけど(笑)
エピグラフの言葉、いい言葉ですね。

mb 07-08-09 (Thu) 16:40

HIROSHIさん、こんにちは。
正直に言うと、私も海外の写真家に、あまり興味はありません。ただ、ブレッソンは別格というか……以前、NHK教育で放映されたドキュメンタリーを観て以来、写真よりもその知性と品位に惹かれたところがあります。
ですから、このエピグラフも、無条件に感動できないのです。最後の一節、「にもかかわらず、友情と愛情は存在する」の一言に、ブレッソン特有の皮肉が込められているような気がして、私の中の感動に、思わずためらいのブレーキをかけてしまうのです(苦笑)。

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