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続 光を侵す影。

2006Dks022

前々回の記事、「光を侵す影」(こちら)に、いつもお世話になっているM.Niijimaさんとomoteさんから示唆を頂きました。「理屈は判らないけれど、良くあることなのだろう」と軽く考えていましたが、どうもそうではなさそうでした。

おふたりのコメントから考えられる仮説は大きく分けて2つでした。ひとつはフィルムの状態もしくは現像処理(しかも「失敗」に分類される処理)に起因すること。いまひとつはフィルムスキャナに起因することです。

「フィルムの状態もしくは現像処理」については、おそらく問題は無いと思います。フィルムは買いたてのホヤホヤで、有効期限にも余裕があり、しかも防湿庫で保管していました。

現像処理については、素人(私)の目視ですから確証はありませんが、改めて確認したところ、M.Niijimaさんが推測されたとおり、輝度差の大きい境目に、ボヤッとした縁取りは認められませんでした(前回いただいたコメントへの返信には、間違った見解を書いてしまいました)。

また、omoteさんのおっしゃるように、自家現像ならまだしも、ラボ現での失敗の可能性は低いものと思われます。

となると、M.Niijimaさんのおっしゃる「フィルムスキャナが犯人説」になるわけですが、ちょっとこちらの写真をご覧下さい。

写真の左右に、帯のようなものが見えます。実はこの写真の左右には、真っ黒(ネガでは真っ白)な「コマ間」があるのです。貧乏性でズボラな私は、ついつい、コマ間も含めてスキャンしてしまうのでした。

M.Niijimaさんにご指摘いただいたように、明らかに銀塩の粒子の滲みとは異なっています。このような「状況証拠」から、「輝度差の大きい箇所に出てくる、フィルムスキャナに特有のいたずら」と考えるのが妥当なように思えるのでした。

ただ、引っかき回すつもりは毛頭無いのですが、このフィルムの左右、つまり、コマ間の縁取りが、似たような状況の写真の全てに出てくるかというと、必ずしもそうとは言い切れないのです。しかし、この違いは、プレビューから本スキャンの過程で、無意識のうちにコマ間をトリミングした写真と、うっかり含めたままスキャンした写真との違いかもしれません。

いずれにせよ、ハッキリしたのは私の知識不足……いえいえ、それははじめから判っていたことですが(苦笑)。

それにしても、フィルムスキャナが犯人だとして、何故、輝度差の大きいところが滲むのでしょう。Vuescanの問題なのか、スキャン時にフィルムを固定するフレームとフィルムとの段差に生じるハレーションが犯人なのか(ただし、これだと、コマのなかの輝度差の大きい被写体に「縁取り」が生じる理由を説明できません……)、しかも1600のフィルムに頻発する理由は…..?

ただ、私にとっては、別段、不愉快ではないのです。「作画」というほど大袈裟なものではありませんが、「デジタル」と「アナログ」が出会ったことによる、ふつうなら得られない効果を愉しんでもいるのでした(笑)。

2006Dks015

Comments:6

w1allen 07-06-04 (Mon) 21:08

MBさん、こんにちは。
本文のフィルム写真のことは全くわからないのですが、カーブミラーの写真が、安部公房の『箱男』に出てくる写真を連想させるものだったので書き込んでしまいました。
歪んだ像と正像のどちらが、現実に近いのか?なんてことを考えてしまいます。
ちなみに、自分で現像したのは、大学生の学生実験の際に、X線の回折像の写真を現像したのが最後です。

M.Niijima 07-06-05 (Tue) 1:29

スキャナの問題であるかどうかを検証できる方法を考えてみました。問題は輝度差の大きいところで起こっているようでしたので、例えば、
その1)ネガのリーダー部(フィルム装填時に外光にあたりネガが真っ黒になっているリ部分)と、未露光部分(そのリーダー部と1コマ目の間の素ヌケになった部分)、その境が中央にくるようにスキャナにセットして、普段通りにスキャンしてみる。

その2)未露光部分と、真っ黒になったリーダー部の境は、意外と線で引いたようにくっきりと濃度差が出ておらず、とても短い幅で徐々に濃度差が起こっているので、もしかすると効果がでないかも?
その場合は未露光部分をセットし、コマの半分から片側を(多少厚めの)黒い紙などで覆ってしまい(お手元のスキャナのネガをセットする部品構造などを考慮せずに書いていることご容赦ください)擬似的に最大濃度と(ネガのベース+カブリ濃度を含む)最小濃度部をつくって、スキャンしてみる。

その3)リンク先の画像両端に影が出た例、「フィルムを固定するフレームとフィルムとの段差」を考慮するならば、厚みのある紙はいただけないかもしれませんね。そうしたら次に撮影するフィルムをカメラに装填したら、白い紙と黒い紙を1コマに入るように撮影しておく。その現像があがってからスキャナのテストを行ってみる。

という感じかしら。
どのテストにおいても、もしスーパープレストの存在が疑われるなら、それ以外の白黒ネガの未露光部分を使用するのがフェアな検証かもしれませんね。(続く)

M.Niijima 07-06-05 (Tue) 1:40

連続投稿ご容赦ください。

ところでスーパープレストには、1600と箱に書いてありますが、決してISO 1600とは書かれていません。EI(露光指数)1600となっています。すなわち、見合った現像処理を行うことによって露光指数1600を得られるということです。
僕の実績におきまして、このフィルムの実効感度から考慮するとEI 1600という数値へは相当な増感現像処理を強いていることになります。増感現像によって派生することに粒子の荒れ、そしてコントラストの上昇が挙げられます。(MBさんは、その両方の効果を期待してこのフィルムを利用されているようにお見受けできます。)
すなわちISO 400クラス程度のフィルム以上に、(増感現像処理された)スーパープレストのネガ上では粒子が荒れており、コントラストも強くなっている。よって他のISO 400クラス以下のフィルムでは生じなかったような輝度差が1コマ内に存在していてもおかしくはない理屈になりますです。(もちろん被写体輝度差というものも存在しますから、同様な輝度差をISO 400クラス以下のフィルム上につくることも充分在り得るのですが。。。)

長くなりまして失礼いたしました。

mb 07-06-05 (Tue) 21:57

>w1allenさん
こんばんは。カーブミラーへの反応、ありがとうございました。言うまでもないことですが、私もw1allenさんの気持ちが、とても良く判ってしまうのです(笑)。もちろん、安部公房の「ゆがんだ洋館」には及びませんが…..。
それよりも、過日頂いたコメントへの返信、ありがとうございました。全集は手に入れていましたが、それほど著しい異同があるとは知りませんでした。今度、確認してみたいと思います。
後日談ですが、w1allenさんのブログにコメントさせていただいたあと、闇雲に『夢の逃亡』が気になって、週末の出張の電車の中、文庫版を読み切ってしまいました。これほど集中して再読したのは、ここ最近にないことで、こっそりw1allenさんに感謝していたのでした(笑)。

>M.Niijimaさん
詳細なコメント、ありがとうございました。随分とお手を煩わせてしまい、かえってご迷惑をおかけしたのではないかと気になっています。

頂いた手順のうち、さっそく(その1)を試してみました。その結果を、期間限定で私のフォトログに載せました。画面の左が感光部(リーダー)、右が未露光部です。

http://lws.egoism.jp/pixelpost/index.php?showimage=1252

注目していただきたいのは、左右の境目ではなく、むしろ未露光部の上下です。灰色の帯が走っています。この帯は、左側の感光部にはありません(ちなみに、上下の灰色の帯のコマ寄りに走っている黒い筋は、おそらくガイドレールによる傷と思われます)。
帯の位置は、フィルムで言うと、パーフォレーションとコマの挟間です。未露光部の上下にのみ、このような灰色の帯(影? 滲み?)が走るのは、いったいどういうわけなんでしょうね……。
感光部は真っ暗で光を通さないため、影のできようはずがありません。逆に
未露光部は光が抜けていきますから、なにかの障害物の影を拾っていることになります。
同じことをISO400のフィルムでも試してみましたが、結果は同じでした。

…..と、ここまで書いて気が付いたのですが、もしかすると私は、とんでもない無知をさらけ出していたのかもしれません。つまり、スキャン設定時に、個々のフィルムのフィルムベースに合う設定をしないまま(ないしは、ほとんど無視して)スキャンしているという事実….これを披瀝していただけなのかも…..。
だとすれば、いよいよ私のズボラさを白状しただけかもしれませんね(苦笑)。被写体の中に同様の「滲み」がみられるのも、実はそれは「滲み」ではなく、もともと偏っていたスキャン設定が露呈しただけのことかもしれません。まさに「幽霊の正体見たり枯尾花」。
仮に上記のことが正しいようでしたら、随分とお騒がせしたことになります。お赦し下さい。
それにしても、今回はいろいろと参考になりました。本当にありがとうございました。

M.Niijima 07-06-07 (Thu) 1:12

レスが遅くなりまして失礼いたしました。
だらだらと書かせていただき、とんだ失礼をした上に、お試しいただいたとは、恐縮でございます。

ところでリンク先の結果を拝見させていただきましたが、なんでしょうねぇ。上下のグレーは?ガイドの部分の写りこみですかぁ。
そして肝心の輝度差を拵えたところに影が出ませんでしたね。解せないですねぇ。。。
いやはやとんだお手間をとらせる結果になってしまいましたね。面目ないです。

mb 07-06-11 (Mon) 20:45

M.Niijimaさん、こちらこそ、返信が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
週末はほとんど子どもの看病で…..。おかげさまで、昨日の午後からは、熱もストンと落ちて元気になりました。
思いがけず、お手を煩わせることになってしまい、恐縮しています。それもこれも、私の不勉強が原因かと。性根を据えてかからねばならないことは承知していても、なかなか時間が……。
とは言え、このままでは私も気持ちが悪いので、いちど実際に焼き付けてみようと思います。はたして、同じ現象が出るものかどうか…..。ただ、スキャナに特有の現象だとすれば、これはこれでおもしろいなぁ…..とも思っています。

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