Home > 家族 > 続 続 続 注意の力点。

続 続 続 注意の力点。

  • March 16th, 2007 (Fri) 19:44
  • 家族

Dks022

長い年月をかけて身に染みついた習慣など、それほど簡単に拭えるものではありません。所詮、「その程度の正しさ」でしかないものが理解されないからといって、いちいち腹を立てていたのでは、相手も可哀相というものです。

…..と、およそ10年が経過したいま、ようやくそのように思えるようになりました。もちろん、カミさんに言わせれば、そんな様子など、私の日常にこれっぽっちも感じられず、なにも変わっていないどころか、かえって悪くなるいっぽうだと思われているにちがいありません(苦笑)。

「習慣」という「無意識のこだわり」は、それが「こだわり」である以上、そして同じ対象の扱い方に、異なる「こだわり」が相まみえれば、自ずとそれはぶつかり合うことになります。

逆に片方のこだわりが強すぎて、相手がそれを理解しないとき、ついついその無理解を責めてしまいます。しかしよく考えれば、それは相手の「無理解」のせいではなく、それを「無理解」と断定し、「無神経」の衣を着せているこちらに非があるのかもしれません。

90歳も半ばを迎えんとする私の祖母が、以前、こんなことを言っていました。たしか、ソ連が崩壊したときのことです。「あねぇに大けな国をまとめぇちゅうほうが無理じゃぁよ。この村じゃぁて、まとまらんのに。」

違いすぎる尺度をすました顔で同列に並べ、彼のゴルバチョフ氏を我が実家の村長と対等に扱わんとする祖母に、聞いていた私は卒倒しそうになりました。しかし、その素朴すぎる祖母の言い方が、どことなく判る気もするのでした。

後年、私がカミさんと暮らしはじめ、様々な違いに気づくたび、なにゆえか、この祖母の言葉を思い出すのでした。そして、結婚とは、つまるところ異文化接触であり、異文化対立であり、異文化交流であり、異文化理解であり、その果てに「新たな文化の創造なのだな…..」と思うようになりました。

(実際に異国の人と結ばれて、その異文化○○を日々実践しつづけている友人には、本当に瞠目するばかりなのです。)

そういうわけで、異なる家庭に育ち、異なる文化を背負った者同士が、ひとつ屋根の下に暮らし始めれば、自ずとそうした葛藤を抱えることになります。見合いで結ばれようが、恋愛で結ばれたようが、そこにさしたる相違は無さそうです。

「その程度の正しさ」を自分自身から突き放して眺めるためには、お互いに「注意の力点が違うのだ」と思うことが良いようです。もちろん、さっさと離れてしまうのも、大事な選択肢のひとつです。ただ、「違い」の混交がもたらす新たな文化の芽吹きとその成長を眺めるのも、愉しいことかもしれません。

そう遠くない将来、私の息子がどのような伴侶に恵まれ、どのような家庭を築き、そこでマーガリンがどのように塗られることになるのか、いまからとっても楽しみになのでした。

(了)

Dks008

Comments:5

complex_cat 07-03-16 (Fri) 21:51

私も,結婚とは,異文化理解に他ならないと思っております。前の首相は,異文化への理解能力は低そうでしたね。離婚されているから,申し上げているわけではありませんが。
 マーガリンはべらぼうに高いモノを除いてトランス脂肪酸がかなり含まれるので,我が家では子供になるべく摂取させないようにするということになっております。
 でもって,こういうのも,単なる異文化と理解されるべきものかと思います。正否なんぞ分かりませんので。
 ちなみに私の実家では水平減少方式でした。

HOKUTO 07-03-17 (Sat) 0:21

もう大笑いで一気にシリーズを読ませていただきました(笑)
うんうん、と頷きながら、MBさんの文章力に感嘆しつつ。
下衆な言い方すれば、結婚って「どれだけ相手を許せるか」だと思うんですね。
ネガティブな言い回しですが、周りはみな納得します(笑)
マーガリン、ウチの相方は、トーストがしなしなになるくらい塗りたくります。。。
子供にまで伝染してるんで、注意しました^^;

marmotbaby 07-03-19 (Mon) 13:00

>C_Cさん
C_Cさんのお宅でも、水平減少方式でしたか(笑)。ちなみにパラフィン紙は…..? おっしゃるとおり、どのご家庭も、ある種の「正しさ」を志向して「しつけ」を行っているに違いありません。その濃淡が、時として「正しさ」のぶつかり合いを演じてしまうわけで…..。
飛行機に乗って地上を見下ろすと、「なんもこんなに狭いところでいがみ合わんでも….」と思いますが、いったん地に足がついてしまうと、そんなことはすっかり忘れて、再び文化の呪縛に絡め取られてしまいます(笑)。

>HOKUTOさん
冗長な散文にもかかわらず、読み通してくださったこと、ありがとうございました。笑っていただけましたか? 嬉しい限りです。
ちなみに私は4枚切りの分厚いトーストに、マーガリンを幾重にも重ね塗りして食べるのが好きでした。しかし、カミさんと一緒になってからと言うもの、6枚切りよりも分厚いトーストを食べたことがありません。
また食べ方も決まっていて、まず左のコーナーを囓り、ついで右のコーナーを囓り、そうして残った真ん中の突起を囓り、このセットを3回繰り返して1枚を食べ切ります(笑)。

complex_cat 07-03-21 (Wed) 11:29

パラフィンは,「ファジーにいつの間にかなくなる」方式でした。

それと,この話とは関係ありませんが,トースト占いというのを思い出しました。手元からトーストを取り落としたとき(わざとやってはいけません),床の上でバターor マーガリンの面が上になっていれば,今日は一日運が良い日です(笑)。

marmotbaby 07-03-22 (Thu) 23:08

>C_Cさん
なるほど。自然消滅派だったんですね。
トースト占い、初耳です。裏返った場合、さすがに3秒ルールも通用しないのではないかと…..。

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://memoranda.egoism.jp/blog/2007/03/%e7%b6%9a-%e7%b6%9a-%e7%b6%9a-%e6%b3%a8%e6%84%8f%e3%81%ae%e5%8a%9b%e7%82%b9%e3%80%82.html/trackback
Listed below are links to weblogs that reference
続 続 続 注意の力点。 from memoranda

Home > 家族 > 続 続 続 注意の力点。

Spider
Recent Entries
Recent Comments
Archives
Categories
Now Playing
flickr Photostream
DSCF7851DSCF7849DSCF7848DSCF7846DSCF7844DSCF7840DSCF7839DSCF7853DSCF7833
TagClouds
Search
Feeds
Meta
Counter

Return to page top