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散文の意匠。

Tyo2005Sep020

漱石の作品のリアルタイムな読者たちは、本当に幸せだったと思います。そんな私の思いには、当時の人々への羨望も含まれています。同時代を生き、なにより当時の時代と文脈を共有しながら、漱石を読むことができたわけですから。

ここに言う「リアルタイムな読者たち」とは、単行本ではなく、新聞連載の読者という意味です。朝食をとりながら、あるいは街行く路面電車の中で誌面を広げ、そこにある漱石の連載を読む…..想像しただけでゾクゾクします。

(もっとも、当時の我が家は正真正銘、掛け値無しの百姓ですから、新聞をとっていたかどうかさえ、疑わしいのですが(苦笑)。)

漱石研究者でも批評家でもないわけですから、安易なことを言うと叱られそうです。しかし、私なりに漱石の文体に注目すると、主語と述語のつながりが明瞭で、とてつもなく短い単文の集積であることが判ります。

つまり、一文がとても短いのです。当然、句点(。)が多くなります。しかし、不思議なことに、読み手のリズムに棹さすことがありません。ふつう、句点が多いほど、エンストしっぱなしの車に乗っているような不快感を覚えるものですが、どういう工夫があるものか、非常に心地良く流れてくれるのです。

その心地よさの理由は、様々に分析され、おそらく定説があるのだろうと推測しますが、不勉強な私は、そのことをまったく知りません。

むろん、漱石のように書くことは不可能です。ですが、及ばずながら、私も、一文をできるだけ短くしようと心がけています。手の内を明かすようで、少しばかり気が咎めますし、なにより私の自己満足でしかありませんが、すこしだけ並べてみます。

●できるだけ短い単文を繋ぐ。

●一段落三行まで。延びても五行程度に抑える。

●段落と段落の間を空白行にする。

●CSSのline-heightを200%に。これで行間を空ける。

●1回の記事の文字数を1,200字程度に抑える。

●それでも長くなりそうなら、諦めて、続き物にする。

モニターで快適に読んで頂くためには、おそらく、紙媒体とはまったく異なる発想の「意匠」が必要なのでしょうね。それがどのようなものなのか、見当もつきませんが、そうした情報へのアンテナだけは持っていたいなぁ…..と思います。

もちろん、中味に勝る意匠は無いのですが(苦笑)。

Tyo2005Sep021

Comments:2

M.Niijima 07-01-26 (Fri) 2:37

line-heightは重要だと思っています。>>web
あとはmarginかなぁ?
memorandaはモニター上でとても読みやすいです。それが人気にもつながっていると思いますよ。
僕はダラダラしすぎです(反省)

marmotbaby 07-01-29 (Mon) 18:00

M.Niijimaさん、返信、遅くなってすみませんでした。
やはりNiijimaさんも、Line-Heightを気にしておられたんですね。ブログを拝見していると、そのお気遣いが良く判ります(嬉)。
「人気」など、このmemorandaには無縁の言葉かと思っていますが….それでも、冗長な言葉を丹念に読んで下さっている方の存在は(コメントの有無に関わりなく)感じていて、とてもありがたいと思っています。
もう少し、短い文章で…..と、いつも思うのですが、毎回、フンドシのように長くなってしまいます。反省。
“Acrosse the street sounds”、”gelatinesilver”、どちらも、冗長だと思ったことはいちどもありませんよ!

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