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狼狽。

  • November 17th, 2006 (Fri) 22:29
  • 家族

2006Sdi010

昔から、なにかを身につけるのは苦手でした。むろん、衣服は身につけてますが、腕時計でさえ、きちんとするようになったのは、人より遅めの就職を果たしてからのことです。ましてや、アクセサリーの類など、私にはまったく無縁の世界だと思っていました。

携帯電話を持たないのも、概ね、こうした性質によるものかもしれません。ただ、そんな私ですが、不思議と結婚指輪だけは、外さずに身に付けています。

亡くなった祖母は、生前、金の結婚指輪を嵌めていました。「取れんようになったんよ」と言いながら見せてくれたその指に、ガッチリ食い込んでいる指輪を見たときは、思わず「痛くないの?」と訊ねたものです。私が結婚する直前の話しです。

同じ時、祖母と同居していた叔母にも、指輪を見せてもらいました。こちらは外すことはできましたが、見事に指の形に変形し、楕円形をしていました。

私の両親は、指輪を嵌めていません。母方の親戚は、ほぼ例外なく、嵌めています。ここらあたりに「家庭の文化」を感じます。結婚前の私も、おおかた、我が家の文化同様に、いずれは外して、大事にしまっておくことになるのだろうと思っていました。

しかし、不思議なものです。どういうわけか、私は未だに嵌めています。指が太ることもなく、いつでも外せてしまうのですが、なぜか外さないまま、気が付くと9年近い歳月が経っています。

過日、職場に出勤し、ひと仕事を終えてお昼休みが近づいたときのことです。左手の薬指にあるはずの指輪がありません。どこで外したのか、まったく、憶えはありません。たかがプラチナの小さな欠片に過ぎませんが、私は大いに慌てました。

記憶をどれほど手繰っても、自ら外した憶えはありませんでした。そもそも、外す習慣は無いのです。

恐る恐る、自宅に電話を入れました。残る唯一の可能性は、眠っている間に、無意識に外してしまったことくらいです。カミさんに寝室を確認してもらったところ、案の定、枕元に転がっているのが見付かったのでした。

見付かったと判った後も、私は妙に落ち着きませんでした。うちに帰って再び元の位置に収めてから、ようやく、一息つくことができました。寝ぼけた私は、いったい、どんな表情で、どんなふうに指を動かして、指輪を外したのだろう。そう思うと、なんとも可笑しくて仕方ないのでした。

2006Sdi011

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