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消えた家。

Oki0170

物心がつき、幼い頃を過ごした最初の家。その家が、未だ現実に存在している方は幸せだと思います。つい昨日まで、私もその家がそこに在ることを信じて疑っていませんでした。

5年前の暮だったでしょうか。仕事でその土地を訪ねた折り、懐かしさに駆られて、少し遠回りをしました。そのときは、当時と変わらぬ佇まいで、その家は有りました。木造平屋の借家です。

遠巻きに見るその家には、むろん、新しい住人が暮らしているようでした。庭の雑草は伸び放題で、とても家族が暮らしているようには見えません。趣は随分と変わっていましたが、間違いなく、私が幼い頃を過ごした家でした。

そのとき、私は既にF3を所有していましたが、出張先に持ち歩くことはありませんでした。GR1vを手にしたのは3年前です。あと2年、早ければ、時間の許す限り、私はその家や周りの景色を撮り歩いていたでしょう。

昨日の記事を書いたあと、ふと気になってGoogle Earthを覗きました。父と歩いた田舎道を、俯瞰で眺めたくなったのです。

幸か不幸か、おそらくは最高の解像度でした。そうして徐々にクローズアップして行きます。当時、珍しかった蜂の巣校舎の小学校は、今も健在でした。そこを起点に道を辿り、目線は家路を急ぎます。

しかし、そこに見えたのは、完全に更地となっていた我が家の跡地でした。本来なら、同じような借家が5〜6戸、軒を連ねているはずでした。そのすべてが無くなっていたのです。

典型的な転勤族でしたから、なにかを無くしたり、離れてしまうことには慣れていたはずでした。しかし、この現実を突き付けられると、それが単なる勘違いに過ぎないことが良く判りました。

もとより借家ですから、私の所有物であろうはずがありません。はじめから持っていないものを「無くした」というのは変な話しです。しかし、往時のことが写真と記憶の中にしか存在し得ないことを知ったとき、なんとも言えない喪失感を止めることができないのでした。

くれぐれも、Google Earthの使用にはお気を付け下さい(苦笑)。

Oki0179

Comments:2

y_and_r_d 06-08-17 (Thu) 8:11

僕も小学校2年まで住んでいた
木造住宅が鉄筋コンクリートの団地に
変貌していたときはショックでしたが
Google Earthで目撃するというのは
別の意味で衝撃でしょうね。

marmotbaby 06-08-17 (Thu) 20:17

y_and_r_dさん、こんばんは。コメント、ありがとうございました。暑い日が続きますが、お元気ですか。
Google Earth、思わぬ伏兵でした(苦笑)。
記憶が誘う言語化できない領域は、どんな精細な情報も寄せ付けないほどに豊かでした。俯瞰で眺めた田舎道の、なんとも言えず素っ気ないこと(笑)。やはり、実際にその場を訪ねるしかありません。
とは言え、家が失われた以上、ためらいもひとしお…..。困ったものです。

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