Home > 光画 > 秋祭りの椿事。

秋祭りの椿事。

  • October 21st, 2005 (Fri) 16:43
  • 光画

Crop0011-10

先週末、地元の秋祭りを観に出かけました。各町内から神輿が出て、旧市街の中心部を練り歩く、毎年秋の恒例行事です。この土地に暮らし始めて8年になりますが、ようやく観に行くことができました。

モノが判り始めた4歳児、彼の記憶に残る1日になれば….などと言いつつ、実際には親の方が愉しんでいました。良くあることです。秋晴れの空の下、色とりどりの半被や神輿は美しく、鮮やかなコントラストは観ていて飽きないものでした。

T字路の突き当たり付近で、次から次へと現れる神輿を観ていました。笛や太鼓の大音量、見物人の多さに、ウチの4歳児はいささか気圧されている様子でした。しかしすぐに慣れたのか、「また来たよ!」、少し間が空くと「あれ? もう来ないの?」などと興味津々の様子でした。

そろそろ一巡目が終わるかな…..といった頃でした。年の頃なら70代の半ばといった感じの女性が私の傍らに近づいて「すみませんが、あの神輿を後ろに写真を撮ってもらえませんか?」と言います。

街中で撮影を頼まれることは滅多にありません。また、頼まれそうな雰囲気を察知すると、眼を逸らして逃げてしまいます。理由は、最近のカメラの操作方法が良く判らないことと、万が一、失敗したり、相手の気に入らない写真になると申し訳ないからです。

太宰治のように、本人たちを外し、背景だけ撮って返す度胸でもあれば良いのですが、私の場合、はじめからそんな根性はありません。

さて、大勢の見物客のなか、至近距離で頼まれてしまったので、どこにも逃げる余地はありませんでした。緊張しながら「良いですよ」と応え、いざカメラを受け取ろうとすると、「いや、あなたのそのカメラで撮ってもらえませんか?」と言います。

「へ?」と思ったのですが、確かに、どこにもカメラを持っている様子はありません。おまけに、最後の神輿はグングン近づいてきます。こういう場合、「なんで?」という問いは無意味です。詮索は止めることにして「判りました」と答え、つづけざまに3回、シャッターを切りました。神輿が行き過ぎる、ギリギリのタイミングでした。

「ありがとうございました….私、すぐそこに住んでおりまして、良かったら後で届けてもらえませんか…..えーっと、お代を…..」などと言いながら、ハンドバッグをゴソゴソと探し始めます。

ここでそんなことを言われても、「では、○円になります」などと言えるはずもなく、またシャッターを切った時点で差し上げるつもりになっていましたから、とりあえず、財布はバッグに収めてもらいました。

「あの、失礼ですが、こちらの方ですか?」と訊ねられたので、「ええ、市内に住んでいます」と答えました。「あぁ、良かった」と、一言。観光客かどうかも確かめずに頼んでくるのですから、余程、慌てていたとしか思えません。いま考えると、神輿の担ぎ手の中に、お身内の方がいらっしゃったのかもしれません。

とりあえず、連絡先の電話番号と名字を伺って、後日、届けることにしました。安心されたのか、そのまま、自宅の方に帰って行かれました。

数日後、フィルムを受け取りに、いつものカメラ店に足を運びました。はなはだ不謹慎ですが「「なにも写っていませんでした」っていうオチは願い下げだぞ」と思ってしまいました。

幸い(当たり前ですが)3枚ともキッチリ写っていたのでホッとしました。Agfa Precisa 100を詰めていましたから、その場で焼き増しをお願いしました。

あとでカミさんとも「いったい、なんだったんだろうね」と話しています。いわゆる「厚顔無恥」とはほど遠い、どちらかというと線が細く、物腰の柔らかそうな方でした。おそらく、最初は撮ってもらうことなど考えていなかったのでしょう。それが神輿が近づいてくるに連れ、この光景のなかに居る自分を残しておきたいと、衝動的に思われたのでしょう。そう考えれば、あの慌てぶりも得心が行きます。

明日、届けに行く予定です。はなはだ不謹慎ですが、できあがった写真を届けに行くと「「実は数年前に….」ってオチも願い下げだぞ」とも思っています。幸か不幸か、私の名前を訊かれることはありませんでした。ですから、コッソリ、お宅のポストに投函するつもりです。なにより、ご本人の期待に添える写真になっていないかもしれませんから。

Image17-3

Comments:2

complex_cat 05-10-22 (Sat) 13:29

講演で息子達を撮っていて,他のお子さんと絡んで気にせずどんどん撮ってしまいます。昨今の世相もあって,大抵の方は,住所を教えたり余計な関わり方をすること自体に勇気が必要なので,写真下さいと仰る方は少ないですが,たまにおられます。結構良い画が撮れたなぁと思う場合は,こちらから押し売りをするのですが(もちろん無償です),近くにある知人のお店に預けて,撮りに行って貰うか,そういった場所がない場合は,自分の方から差し上げますとは言いにくいですね。やはり。

marmotbaby 05-10-24 (Mon) 19:14

C_Cさん、こんばんは。返信、遅くなってすみませんでした。
今回のことは、さすがに私もビックリしました。まさか、そんな「攻撃」の仕方があったとは….(苦笑)。
改めて「他人は撮らない」、自分の決めたルールに忠実であろうと、固く心に誓ったのでした。次回、万が一、同じ攻撃に出くわしたら、「すみません、フィルムが無くなって…..」と言って逃げることにします。
やっぱり、人がたくさんいるなかで、カメラを振り回しては行けませんでした。

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://memoranda.egoism.jp/blog/2005/10/%e7%a7%8b%e7%a5%ad%e3%82%8a%e3%81%ae%e6%a4%bf%e4%ba%8b%e3%80%82.html/trackback
Listed below are links to weblogs that reference
秋祭りの椿事。 from memoranda

Home > 光画 > 秋祭りの椿事。

Spider
Recent Entries
Recent Comments
Archives
Categories
Now Playing
flickr Photostream
DSCF7851DSCF7849DSCF7848DSCF7846DSCF7844DSCF7840DSCF7839DSCF7853DSCF7833
TagClouds
Search
Feeds
Meta
Counter

Return to page top