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横線三年連用日記。

  • June 10th, 2005 (Fri) 19:25
  • 文具

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日記・手帳などの出版物で有名な博文館新社という会社があります。父方の祖父母、母方の祖母は、その「横線三年連用日記」を長く愛用していました(うち、ひとりは健在)。

小・中学生のころ、毎年の盆暮れには、必ず両親の実家に帰省していました。そのせいか、私は真性のおじいちゃんっ子、おばあちゃんっ子でした。

「明治生まれ」という世代だからかもしれません。祖父母とも、いたってこまめな性格でした。とくに祖父などは、当時、毎週水曜日放映の『連想ゲーム』(NHK)の男女別勝敗及び得点を欠かさずつけており、そのデータベースはNHKに寄贈しても良いくらい完成度の高いものです。

祖父母がいつ頃から「横線三年連用日記」を愛用し始めたのか判りません。しかし、私が子どもの頃から亡くなるまで(うち1名は存命中)つけていたわけですから、3人分をあわせるとその冊数は相当な数にのぼるはずです。

就寝前には必ずその日のページをめくり、去年の今日は草刈をしていただの、お前が帰ってきた日はもう少し後だったなどと言いながら、その日の「記録」をつけていたことを思い出します。

1日あたりの記述スペースがB5版の3分の1程度、行数にして10行程度だったと思います。決して淡白な人たちではなく、私にはとても暖かい、情のある人々でした(くどいようですが、うち1人は「ホンとに死ぬの?」と思えるくらい元気)。しかし、日記に書かれたことの多くは、日々の出来事を淡々と書き留めたものが多かったと記憶しています。

「それを日記と言って良いのか?」という思いが、小・中学生のころの私にはありました。夏休みに付き物の「日記(絵日記を含む)」という宿題が、楽しかるべき「お休み」を地獄の様相に変えていたからです。

夏休みの日記では、どんな些事であれ感動して見せなければなりませんでした。必要以上にその日1日を「反省」し、できもしない「決意表明」で締め括らなければ嘘でした。要するに「学校教育的良い子」の陥るジレンマだったのです。

いま考えると、飾り立てたウソゴトよりも、淡々とした日々の「記録」のほうがどれほど貴重な「思い出」であるかが良く判ります。ですから、ともすると情緒過多症に陥りがちなこのmemorandaに対して、私的につけている日記には、できるだけ「あったこと」だけを並べるようにしています。

それにしても、祖父母はどういう思いで「三年連用日記」を綴っていたのだろうと思います。「来年のこの日のページは埋められるだろうか?」とか、あるいは1冊を書き終えると、ホッと胸を撫で下ろしていたのではないだろうか。そう考えると、なんともいじらしく思えてなりません。

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Comments:3

ユリタ 05-06-11 (Sat) 7:43

ご無沙汰しています。

夏休みの宿題で日記があったことは記憶にあります。日本人学校でもあったはずです。ただ、想像していただけるとおもいますが、一度も日記を2日以上続けた『記憶』がありません。私の場合、『記憶』がないのは日記そのものをつけていなかったからでしょう。ちなみに『自由研究』などというものも、お話の世界での出来事で、実際にやったのは1度だけだと覚えています。

夏休みの宿題・・・何を提出していたのか不思議になります。

marin 05-06-12 (Sun) 13:51

marmotbabyさん、こんにちは。最初から最後までそうそう、と頷きながら読ませていただきました。

実は私も5年日記を買いました。今年で3年目だというのに、何も書かないまま半分終わってしまいました。子供の発した面白い言葉や日々の出来事を一日一行でも書き留めておこう、なんて軽い気持ちで買ったのですが、いきなり1年目の1月に次男がインフルエンザで入院してしまい(脳症まで疑われるほどの重症でした)、「5年日記」の重大さを思い知ったのでした。もちろん家族に限らず、3年後、5年後にそれを書いている自分自身がいるのかどうか、ということも含めて「余白」が目に見える形でそこにあると、空恐ろしい気持ちになってしまうのでした。そうは言っても、記録を残したくて買ったものなのですから、今でも書き綴りたい気持ちはあります。最初の2年分も記憶を頼りに書いておきたいくらいですが、最近の記憶力ではもう取り返しがつかないでしょうね。

夏休みの宿題、日記以上に読書感想文が嫌いでした(本は大好きだったのに)。課題図書に限ってつまらない上に、必要以上の感動や、「わたしだったら...」と登場人物と自分とを比較する決まりきったパターンを押し付けられるからです。

ああ、夏休みの宿題なんてなくなればいいのに。今では息子の宿題に悩まされています。
(長文になってしまいました。お許しを...)

marmotbaby 05-06-13 (Mon) 22:31

>ユリタさん
「日記」にせよ「自由研究」にせよ、完璧にこなしてくる友達がいました。私自身はマニュアル通りにしか学校で過ごせなかったので、そんな友達は羨ましくもあり、また不可思議な存在だったことを憶えています。おそらく、ユリタさんの「拒否反応」は私の物とは別種のものに違いありませんが、自分の興味を自分で作り、それを形にできる才能….「学校」がもっとも「育てたい」と思い、しかし決して「学校」では育てられない性質のものなのかもしれませんね。

>marinさん
駄文の長文にもかかわらず、最後まで読んで下さってありがとうございました。
たしか、清水義範だったと思いますが、「正しい読書感想文の書き方」を解説していたと思います。
1.まず、「あらすじ」を適当に要約して書き綴り、
2.主人公の「すばらしさ」に、必要以上に感動して見せておいて、
3.次は一転、完膚無きまでに自虐的な言葉を延々と綴り(「主人公の苦労に比べれば今の自分の境遇は…..」等々)
4.「こんなことではいけない」と、徹底した反省を加えた挙げ句に、
5.明日からの「生きる指針」を2、3述べる。
あまり正確ではありませんが、このようなものでした。できれば、小学生・中学生時代に知っておきたかった、と、後悔のほぞを噛みまくって血だらけになったことを憶えています。
この夏の、お子様の宿題に、是非ご活用下さい。もしかすると、うっかり学内コンクールの賞がとれるかもしれません。もっとも、そのことに付随するメンタルヘルスは保証の限りではありませんが……。

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