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自戒も込めて。

気温は上がっていたようですが、風のせいで体感気温はさほどではありませんでした。桜も例年になく、遅咲きのようですね。

そんな、のんびりとした気分のなか、Karenさんのblogを見ていたら、こんな記事を見つけました。元になった記事はBBCの”Blogging from East to West“です。

Karenさんによると「民主主義の擁護者として偏向無き情報提供をするはずの大手メディア(Main Stream Media)は、その役割を果たすことに完全に失敗している。(中略)もちろん、多くのブロガーは「その人自らの権利に基づいて」という点で「偏向」してはいるけれども、ブロガーの増殖それ自体を為政者がコントロールすることは、MSMを統制することよりも難しい」というものでした。

一時は「ニュース戦争」と言われた日本のメディアも、いまではなんだかワイドショーにも及ばないくらい、トーンダウンしているように見えます。

15年続いている、とあるニュース番組も、とくに「第二部」が無くなったあたりから、俄然、勢いを無くしてしまい、「ぬるさ」で続いているような気がしてなりません。以前は、その番組を観ることによって、なんらかの新しい視点や考え方を得られた気になっていたのですが(それは単に、当時の私が幼かっただけかもしれません)、いまでは彼の口にする「ジャーナリズム」という言葉自体が、総花的で虚ろに響きます。また、仮にその言葉を受け入れるにしても、MSM自体が「権力」と化していることの暴力性が自省され、その「必要悪」が納得できる形で開示されない限り、「観ているお前が悪いのだ」という「自己責任」を押しつけられ続けているような思いになります。

(”MASK”という映画がありました。意志に反して貼り付いてくるマスクを剥がそうとするシーンがありますが、ちょうどそのような感覚です。もっとも、貼り付いてくるのは”マスク”ではなく”濡れ雑巾”ですが。)

キャスターの問題云々よりも、プロデューサーの資質力量の問題なのでしょうか? 「第二部」が無くなって随分と日が経ちますが、それを境にイメージ映像と効果音の多用が目立ち、その装飾過剰とも言える「演出」に、我々の求めている「わかりやすさ」との違和感を憶えずにはいられません。

(人づてに聞いた話しですが、NHKのキャスターは無個性な人が良いのだそうです。「ニュース」を「伝える」点において必要なことは、情報の「中身」であって、キャスターのキャラクターでは無い。あまりに「個性的」すぎると、情報が装飾され、結果として死んでしまうからなのだそうです。真偽のほどは判りませんが、あるいはそうかもしれない、と思うこともあります。)

翻って、それではblogが民主主義の擁護者たり得るか、ということですが、私自身はその「内容」よりも、インフラとしての脆弱さに不安を覚えます。

十数年前、大きな台風の被害にあったときに判ったことは、物流など、いとも簡単に止まってしまう、ということでした。新規開店でもないのに、コンビニが空っぽになる状況に遭遇したのは、後にも先にもあのときだけです。

むろん、そのときは物理的に道路が寸断されたからなのですが、実はその物流を止めたのは、他でもない「情報」の寸断と停滞だったのではなかったかと思います。

日本でも、近い将来、それも大都市沿岸で大きな地震が起こると言われています。このことが、地方在住者にとっても深刻なのは、仮に首都圏が打撃を受けた場合、我々の日常を支える情報の何割が寸断され、物流が止まるのか、ということかもしれません。物理的なダメージがゼロであるにもかかわらず、情報が止まり、物流が止まる。どこにも逃げ場が無いわけですから、考えただけでも恐ろしい。

私たちが享受しているネットの情報網には、本当に「中心」は無いのでしょうか? プロバイダやホストコンピュータが止まってもなお、私たちは繋がりあっていられるのでしょうか? 太平洋にケーブルが何本、沈んでいるのか判りませんが、そのうちのどれかが切れても、海の外と繋がっていることはできるのでしょうか…..?

あまりに過剰な期待は禁物かもしれません。自戒も込めて。

Comments:7

Photoethnography.com 05-04-05 (Tue) 22:23

Blog: Defending the freedom East to West

“According to Reporters Sans Frontières, at least 63 bloggers [in China] have be…

tetsu 05-04-05 (Tue) 23:47

こんばんは。
写真とは裏腹に難しいコメントでした…。世界は複雑な砂の城のようなものかもしれませんね。当たり前と思っているだけに、その当たり前なことは思いもかけず簡単に崩れてしまうと途方に暮れてしまうかもしれません。それでもなんとか直そうとか、元に戻そうとする無くなると思う気持ちは強いと信じたいものです。

コメントは幸か不幸かアップされていませんでした。大丈夫です。安部公房の写真をまとめて見てみたいですね。僕の写真を「写真が語っている」なんて誉め過ぎです!「写真が騙っている」という方が近いような気がします…。

ちなみに写真はベトナムではなくて、ビエンチャン(ラオス)で撮ったものでした。

marmotbaby 05-04-06 (Wed) 9:15

tetsuさん、こんにちは。
そう言えば、安部公房が自身の満州での体験を引き合いに出して、「日常」の持つ回復力のすさまじさに触れていましたね。『死に急ぐ鯨たち』だったかな?

あるいは既にご存じかもしれませんが、安部公房の写真、手近なところで見るとすれば、次の3つくらいでしょうか。

・安部公房全集の第27巻(だったと思います)
・世田谷文学館で開かれた、没後10年の安部公房展のカタログ
・1996年にウィルデンスタイン東京で開かれた安部公房写真展のカタログ『Kobo Abe as photographer』(→入手困難?)

世田谷文学館のカタログ、刊行が2003年ですから、うまくすると在庫があるかもしれません。資料的価値が高いです。入院中に撮ったのではないかと思われるベッドの写真があり、『カンガルーノート』を彷彿とさせます。ただ、そのときの安部の心身の状態を考えると、なんだかとても痛々しい気持ちになります。

「写真が騙っている」、これはこれで良い表現だなぁ….。

それにしても、あちこち旅をされているんですね。写真だけで勝負しておられることに納得すべきなのですが、旅行記のようなものも読みたいなぁ…と興味がつきません。

tetsu 05-04-07 (Thu) 0:08

こんばんは。

安部公房の写真をまとめたものは幾つかあるのですね。全然知りませんでした。marmotbabyさんは安部公房に詳しいですね。僕は恥ずかしながら、彼の小説が好きなくらいで(戯曲は苦手なのです)、あまり知りません。古本屋で世田谷文学館のカタログを探してみます。

海外を旅するのは好きです。ただ最近は海外はおろか、本州からも出ていませんが…。5年くらい前のことになりますが仕事を辞めて、のほほんとユーラシア大陸を彷徨していたのですよ。11ヶ月くらいかけてヨーロッパへと辿り着きました。よく言われます。猿岩石のマネですか?って。そういう訳でもないのですが…。
この時の写真と稚拙な独り言は
http://homepage.mac.com/fortuna1895/gowest/explanation.html
で垣間みることができます。暇な時にでも覗いていただけると嬉しいです。

それでは

marmotbaby 05-04-07 (Thu) 23:43

tetsuさん、返信、遅くなりました。
驚きました。11ヶ月かけてユーラシア大陸横断とは….5年前といえば、9.11の直前ですね。しかし、相当、危険な目にも遭われたのではないでしょうか?
“GO West”、拝見しました。イラン、トルコ、レバノン、シリア….名前は知っていても、地図上でどこにあるのか、指さすことすら私には難しい。情けないことです。
とてもひとくちには言えない体験をされたのだと思いますが、それを承知であえて訊くとすれば、「日本って、どんな国にみえましたか?」ということでしょうか….。とても興味があります。

今日のエントリー、tetsuさんに刺激されて書いてみました。実は、ここ数年、ほとんど顧みることは無かったのですが、改めて読んでみたい、そんな気持ちになりました。
(誤解を解いておくと、それほど詳しくは無いんですよ。読みも浅いですし(笑))

tetsu 05-04-09 (Sat) 1:21

こんばんは。
GO WESTを見て頂けましたか!ありがとうございます。
小心者ゆえ危険なところには足を踏み入れないと決めていたので、思いのほか旅は安全でした。一度も拳銃を突きつけられることのないまま帰国です。泥棒とか強盗くらいです、危なかったのは。
日本は何ですかね。無理を承知で一言で言うと「良い国」だと思います。答えになっていませんね。故国だということを差し引いても「良い国」だと思います。
僕も最近は安部公房を読んでいません。これを機にまた読んでみようと思います。
それでは

marmotbaby 05-04-10 (Sun) 16:31

tetsuさん、こんにちは。返信、おそくなりました。
泥棒や強盗で充分、おっかないです。私なら、間違いなくチビってます。
カッコ書きの「良い国」にいろんな含意がありそうですね…。
ここ数年、私も、安部公房から遠ざかってしまいました。無理して全集を揃えた安心感でしょうか、綺麗に並べたまんま、手つかずの状態です。私も、読み返してみようかな….。

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