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庶民の弁。

  • February 27th, 2005 (Sun) 12:17
  • 光画

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シリーズものの蔵書を書棚に収めるとき、どうしても、数字の若い順に右から左へと並べます。また、分野を分け、極力、背丈が揃うように並べます。綺麗に並べられた時の達成感と満足感は、なにものにも変えがたいものがあります。そういえば、限られたスペースにおもちゃを片づけるのは、子どもの頃から得意なのでした。

しかし、こんなことに満足を憶えることに「所詮、アナーキストには成れないのだな」と諦観します。また、図書館のように並べるわけでもありませんから「所詮、官僚にも向いていないのだな」と感じます。詰まるところ、中途半端な庶民に過ぎません。

Ioさんから誘い水を頂いた、フィルムのことを書こうと思っていたのでした。

フィルムの、「否応無い時系列」が好きです。もちろん、リバーサルの場合は、バラバラに切り離して扱うことが出来ますが、私はそれを好みません。必ずスリーブで出すことにしています。また、一本のフィルムの時系列だけではなく、それがシートになったときの時系列も重要ですから、外出時に持ち出すカメラは、たいてい1台のみになります。撮りきれずに帰ってしまうと、次のカメラを持ち出すことができず、悲惨な悪循環に陥ってしまいます。

いまさらこんなことを書くと、石が飛んでくるかもしれませんが、実は、いままでのエントリーの中で、モノクロネガを使ったものはほとんどありません。さらに白状すると、暗室作業など、経験がありません。すみません…..。

原版の多くは、カラーネガ、もしくはカラーリバーサルです。7年前、結婚と同時に写真を始めた当初は、初心者らしい身のほど知らずのおかげで、

「リバーサルと言ったらProviaだろう」 とか、
「モノクロならTri-Xだろう」 とか、
「Scalaを使わなきゃ嘘だろう」 とか、

思っていました。しかし、そんな高価な買い物を、我が家の経済が許してくれるはずがありません。

とはいえ、写真は続けたい。フィルムカメラで写真を撮りたい。で、最近、次のフィルムに落ち着いてきました。

カラーネガ:Agfa Vista 100、400
カラーリバーサル:Agfa Precisa 100

理由は、「安いから」。これでしか、ありません。

「安いなかでも、なぜ”Agfa”なのか?」

理由は、「パッケージが赤いから」。に他なりません。

中途半端な庶民らしく、まったく、薄弱な根拠です。

発色がどうの、粒子がどうの、と、試行錯誤すれば、素人ながらも自分を向上させるのでしょうが、いろいろ経験するなかで、身の丈に合ったフィルムはこの3本かなと思うようになりました。ただ、これはこの3本を貶めているのではなく、自分の腕や家計など、いろんな要素を勘案し、常用フィルムとして愛してやまないということです。とくに曇天下、Vista400の粒状感や淡い発色は大好きです。

「無責任なアマチュアだからこそ、赦される」と思いたいのですが….。

安いフィルムを使うことの、唯一の懸念は、高価なフィルムに比べて、その耐久性がどの程度違うのだろうか、ということでしょうか。撮影済フィルムが防湿庫の半分以上を占有しているのですが、褪色のスピードを抑えこそすれ、褪色そのものを解消するわけではありません。

ただ、フィルムの良さは「褪色すること」にもあるように思うのです。

一枚の写真が喚起する物理的な時間の量、そこに潜んでいた記憶や家族の物語….すべては色褪せることで、呼び起こされるのではないかと。

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Comments:3

complex_cat 05-02-27 (Sun) 21:55

私の師匠の一人も,agfa愛用してますよ。私も好きなのですが,ISO400主体なので,それほどまでは使いません。
 ネガカラーからのモノクロは,モノクロのものすごい綺麗なプリントを見ているとネガからだと分かりますが,それでも,あんまり破綻しないということを知って,アサカメの赤瀬川源平氏の「こんなカメラに・・・」はそれやってますよね。ちょっと前まで,ネガからのデジタル化も丁寧に焼いたプリントから読みとらないと怒られましたが,今はプロの方でもネガから入れる手順にされている方も多いと聞きます。まぁ自分のそれと同じにしてはいけませんけど。
いろいろ良い部分もある時代かと思ったりします。

marmotbaby 05-03-01 (Tue) 11:03

C_Cさん、こんにちは。返信、遅くなりました。
カラーネガからモノクロを焼くと、どうしてもコントラストが強くなったり、粒子が荒れたりするそうですね。階調豊かなファインプリントを得ようとすると、感度の低いモノクロフィルムに勝るものは無いとか….。
ただ、Webに掲載するくらいなら、これで充分かな、とも。もっとも、暗室作業ができる身分になれば、まったく違うことを言い出すかもしれません(笑)。

桐野夏生の最新作”I’m Sorry, MAMA”の表紙を飾っている、下着姿の逃げる少女、森山大道さんの有名な作品ですが、実はカラーで撮られたものだと、後になって知りました。このことも、いまの自分のイイカゲンさを正当化しています。

そうそう、みおさんにもお越し頂きました。お気遣い、ありがとうございました。

complex_cat 05-03-02 (Wed) 0:20

>桐野夏生の最新作”I’m Sorry, MAMA”の表紙を飾っている、下着姿の逃げる少女、森山大道さんの有名な作品ですが、実はカラーで撮られたもの

この話,同じように引用している方知ってます(笑)。モノクロを突き詰めるなら,問題外なのでしょうけど。それと,使い慣れたモノクロフィルム意外の選択肢は,プロの仕事なら普通は余り考えないと云うことだと思います。普通のカラー画像から再度を抜いただけで,モノクロになりますが,Web画だと,焼くのと違って,確実には区別できないと思います。今はネガも性能良いですし。
みおさん,遊びに来られましたか。まずは良かったです。

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[...] も得意です。そのままゴミに出すのが惜しいくらいです。また洗濯物を干すことは、私にとって「家事」ではなく、「アート」と言っても良いくらいです。(参考記事:「庶民の弁」)。 [...]

pingback from memoranda - 続 続 似て非なるもの。 11-03-02 (Wed) 23:05

[...] わけです。とにかくたくさん撮りたかったので、当時、最も安価だったAgfa Precisa 100というリバーサルフィルムを買い込んで、そればかりを使っていたのでした(「庶民の弁。」参照)。 [...]

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