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「「心のケア」が早すぎる」。

  • February 13th, 2005 (Sun) 11:48
  • 思惟

Tyo001

子どもが巻き込まれる事件や事故が起こるたび、メディアでは「カウンセラーが派遣され、「心のケア」に取り組んでいます」と決まり文句のように報じます。その素早い対応に驚くと同時に、なぜ、その一言を書き添えなければならないのだろうかと不思議にも思います。

実は「「心のケア」が早すぎる」とつぶやいたのは、敬愛する私の先輩です。過剰防衛的な組織風土が「社会的責任」という「真摯な態度」に転換する、あるいは「学校教育的正しさ」のアドバータイズと言い換えても良いかもしれません。

もっとも、最近では、当のカウンセラー自身が「「心の問題」=「カウンセラー」とは思わないで欲しい」と言い出すことも多いようです。「専門家」であるが故に「できること」があるのと同様、「専門家」だからこそ「できないこと」がある、むしろその範疇の方が広く、それは日常的にかかわりを持つ人々の間でこそ、時間をかけて和らげられる…..。

怖いのは「カウンセラーを配置したのかどうか?」を常に問い続けるメディアの姿勢かもしれません。

「誰もが「正しい」と思っているはずの「カウンセラーの配置」を、なぜしないのだ?」

という問いに、「配置しない理由」を納得行くかたちで説明することは難しい。相手は「コトが起これば、カウンセラーを配置するのは当然だろう」という「制度化された感情」ですから、あたかも地鎮祭のように「配置しました」と呪文を唱えつづけるしかありません。

ただ、このことが結果として、私たちの人とのかかわりを摩滅させ、当事者主義の檻に押し込めるのなら、これほど不幸なことは無いのかもしれません。

Tyo041

Comments:4

complex_cat 05-02-13 (Sun) 14:27

非常に同意できるアーティクルです。
 カウンセリングを受けるのは,とりあえず怪我したら消毒して包帯撒いてというのと同じレベルになりつつあるのかも知れませんが,予算化して行政がちゃんとその作業をやっているというだけの話のような気もします。それは大切な事ですが,マスコミの記述は,心身にダメージを受けているというあたりまえの事を表現するために使っているお約束であって,他に書くことが無いのかという印象は私も持っています。

marmotbaby 05-02-13 (Sun) 17:56

c_cさん、コメント、ありがとうございました。

「「専門家の登場」は「問題」を「解決」するのではなく、「問題」に対する「社会的なおつきあい」の仕方が「制度化」するに過ぎない」

という考え方があるようです。医療や人文・社会科学ではことさらにそういう傾向があるのかもしれません。その反応図式をパターン化して伝播させる上で、メディアの影響力はやはり甚大なものがあります。ただ、それが「ジャーナリズム」と言えるかどうか…..。いずれにせよ、さらなる内省を喚起させられるコメント、ありがとうございました。
(やはり、メールによるコメント通知機能がうまく作動していないようです。返信が遅くなってすみませんでした。近いうちに解決したいと思っていますが….)

marin 05-02-13 (Sun) 22:56

はじめまして。
Photoblogs.orgから飛んできました。味わいのあるモノクロ写真がたくさんあって嬉しくなりました。記事もとても面白く読ませていただきました。
これからも楽しみにしています。

marmotbaby 05-02-14 (Mon) 12:09

marinさん、コメント、ありがとうございました。
頂いたコメントを拝見するより先に、Photoblog.orgでmarinさんがここをfavoriteに加えて下さっていたことを知りました。”marin”というHNをみて、思わず「ぬあ!」とのけぞってしまいました。
白状します。実は、ちょくちょくお邪魔していました。FM2の修理記あたりからかな….。私のブックマークのMT→blog→photoblogの上から3つめに置いています。
私も、アルゲリッチでグールドで、でも本質的にはYMOでPink Floydだったりします。あくまでメインは教授ですが、細野さんのアンビエントに身を委ね、幸宏氏の”disposable love”に泣き笑いしたりします。散開コンサートにおける扇風機が、未だに気になって仕方ありません。最近では伊武さんの『子どもたちを責めないで』をAmazonで購入しようかと思案中。marinさんのHPのタイトルから、矢野顕子と佐野元春を思い出し、手持ちのLove三部作をパソコンに食べさせたのは言うまでもありません。でもやっぱり、ベストは”Welcome Back”でしょうか。
そういうわけですので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
追記:素敵な写真、いつも楽しみにしています。たくさん撮って下さい。

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